アレコレ深く考えず、とにかく楽しめ!ルイ・マルによるスラップスティック・コメディの傑作
やっほー、あたしザジ。この映画の主役よ。
『地下鉄のザジ』、みんな観てくれた?バカな大人どもには分からないでしょうけど、ルイ・マル監督によるスラップスティック・コメディの傑作よ!!リズミカルなカッティングで、ドタバタ喜劇がコマ落とし的スピードで展開していくんだから。
脚本も担当しているシュールレアリズム作家レーモン・クノーの狙いは、当時のしかめつらしいフランス文壇の風潮を徹底的に笑いとばすことにあったらしいわ。アレコレ深く考えず、とにかく楽しめってコトね。
もう抱きしめたいくらいにキュートで、ポップで、キャッチーで、カラフルな映画よ。でも何が一番いいって、あたしが可愛いってことね。ロリコンな親父どもはもうあたしの虜よ。
あたしの伯父さん役を演じるフィリップ・ノワレもいい味だしてるけど、ケーシー高峰みたいな御面相はどうにかならないもんかしら。
もうひとつの見物はパリの美しいパサージュね。パサージュってフランス語で「小径」の意味なんだけど、要はアーケード付きの遊歩道のことよ。ヨーロッパには魅力的なパサージュがたくさんあって、路地にかわいい店舗が建ち並んでいるの。
気軽に散策を楽しめる憩いの場ってカンジね。屋内と屋外のボーダーランドがパサージュであるという考え方をするなら、日常と非日常が交錯する「地下鉄のザジ」という物語に、これ以上うってつけの舞台はないんじゃないかしら。
なーんて、あたしったら深読みしてしまったわ。こんなちゃんとしたレビューは、このサイトの管理者の竹島ルイとかいう、サエナイ男には逆立ちしたって書けないわね。…あ、痛!
ルイ「おい、何勝手に喋ってるんだ!!ここ、俺のページだぞ!!」
ザジ「何よ、あんたがロクなレビュー書けないからあたしが代わりに喋ってやってんじゃん」
ルイ「ロクなレビュー書けないってどういうコトだ!!お前みたいなガキに何が分かるってんだ!!…ゲッ、しかも背景色が変わってるぞ、オイ!!」
ザジ「もううるさいなあ、細かいことをイチイチ。だから大人って嫌だよなー」
ルイ「 ムキー!!ガミガミガミガミ…」
- 原題/Zazie Dans Le Metro
- 製作年/1960年
- 製作国/フランス
- 上映時間/93分
- 監督/ルイ・マル
- 脚本/ルイ・マル
- 製作/イレーネ・ルリシュ
- 原作/レーモン・クノー
- 脚本/ジャン・ポール・ラプノー
- 撮影/アンリ・レイシ
- 音楽/フィオレンツォ・カルピ
- 美術/ベルナール・エヴァン
- カトリーヌ・ドモンジョ
- フィリップ・ノワレ
- ユベール・デシャン
- アントワーヌ・ロブロ
- アニー・フラテリニ
- カルラ・マルリエ
- ヴィットリオ・カプリオ
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