予告編ナシ、CMナシ、メディア向けの試写会もナシ。唯一開示されていたのは、“鳥”のようなキャラクターが描かれたポスターのみ。声優は誰なのか、時代設定はいつなのか、そもそもどんな物語なのか、全ての情報がシャットアウトされた状態で、宮崎駿の最新作『君たちはどう生きるか』が2023年7月14日に公開された。
筆者も完全なる無知状態で公開初日に駆けつけた。そして、脳天を撃ち抜かれたような衝撃を受けた。想像以上に宮崎駿の集大成的な内容であり、極めて自己言及的な映画だったからだ。これはもはや、“宮崎駿の呪いを、宮崎駿が解き放つ物語”なのではないだろうか? 思わず、そんな感慨にふけってしまったのである。
本作の主人公は、太平洋戦争中に母親を亡くした少年・牧眞人(まき まひと)。戦闘機工場を経営する父に連れられて郊外へと疎開し、そこで父の再婚相手となる母の妹・ナツコに出会う。彼女の胎内には新しい命が宿っていたが、彼は新しい母親として受け入れることができない。やがて、アオサギに導かれるように廃屋となった洋館へと辿り着き、「下の世界」へと誘われていく……。
ぜひご一読ください!
最近のコメント