『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』アンチ・ミュージカル、アンチ・アメリカ ※注!ネタバレ含みます。」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。

『イースター・パレード』(48)、『踊る大紐育』(49)、『雨に唄えば』(52)、『バンド・ワゴン』(53)。ミュージカル映画は、最もアメリカ的な芸術表現のひとつだ。フレッド・アステア、ジーン・ケリー、ジュディ・ガーランドといったキラ星のごときスターたちが、スクリーンの中で踊り、歌う。その華麗な世界に、世界中の人々が虜になった。デンマークのコペンハーゲンで育ったラース・フォン・トリアー少年も、その一人。テレビに映し出されるハリウッド産ミュージカルに夢中になった。

しかしトリアー少年の心を掴んだのは、豪華絢爛なエンターテインメント性ではなく、そのメロドラマ性にあった。彼は『ウエスト・サイド物語』(61)を評して、「オペラ的である」(*1)と語っている。観る者を高揚させる歌とダンス、それでいて心を引き裂くような悲劇性。そのアンビバレンツさに、トリアーは宿命的なまでに惹かれたのかもしれない。

やがて映画監督となった彼は、世界を罠にかけ、嘲笑し、弄ぶかのような、エキセントリックかつハードエッジな作品を次々に発表。『ヨーロッパ』(91)でカンヌ国際映画祭審査員賞、『奇跡の海』(96)でグランプリを受賞。そして『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(00)では、カンヌ国際映画祭の最高賞であるパルム・ドールを受賞し、知名度を一気に押し上げた。

ぜひご一読ください!

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