Sampha『LAHAI』考察/解説レビューをblock.fmに寄稿しました

boygeniusSampha『LAHAI』自分を再発見するための孤独な旅路」という考察/解説レビューをblock.fmに寄稿しました。

サンファ(Sampha)のデビューアルバム『Process』(2017年)は、母親を癌で失った哀しみがありありと刻まれた、極めてパーソナルな作品だった。

M-3「Dancing Circles」の「母親には息子が必要だ」、M-4「(No One Knows Me) Like the Piano」の「母の家のピアノのように、誰も僕を知らない」と、リリックには“Mother”というワードが頻出する。M-2「Spirit 2.0」の「血の匂いがする/彼らが私を迎えに来るのが聞こえる」、M-8の「Timmy’s Prayr」の「天国が牢獄なら/私はあなたの囚人」というように、この世のものではないものが彼岸から語りかけてくる」など、この世のものではないものが彼岸から語りかけてくるイメージも、母親の死と重ね合わされたものだろう。

だがサンファは、ドローンやダーク・アンビエントのようなアプローチで、世界を哀しみで塗りたくりはしない。まるで朝靄の森の中から聴こえてくるみたいに、美しいピアノやハープの音色、柔らかなエレクトロニック・ノイズ、しとしとと降りしきる雨を精妙にコラージュして、眩しいくらいにキラキラと光溢れる音像を創り上げた。『Process』は文字通り、哀しみを通して自己を再発見するためのを綴った作品と言える。

ぜひご一読ください!

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