あらゆる音楽をジャンルレスに横断した、デーモン・アルバーンのアナザー・プロジェクト
もはや、僕も名実共にオッサン呼ばわりされる年齢となった。
それにつれてアルツハイマーかと思うくらいに物忘れも激しくなり、風呂場で「あれ?いま俺シャンプーしていたんだっけ?リンスしていたんだっけ?」と途方に暮れて、結局2回もリンスしてしまうことも少なくない今日この頃である。どーなってんだ俺の頭の中の消しゴム。
そんな訳で、ある特定のアーティスト&特定のアルバムとの出会いなんぞ、もはや何も覚えていないのだが、何故だかゴリラズとの出会いだけは鮮明に覚えている。
女子2人と僕1人というハーレム状態で伊豆の温泉に行った時、レンタカーのステレオから流れてきたのが、彼らのデビューアルバム『Gorillaz』(2001年)だったのだ(ちなみに泊まった宿では何一つロマンチックなことは起きなかった)。
2D(ボーカル)、ヌードル(ギター)、マードック・ニカルス(ベース)、ラッセル・ホブス(ドラムス)による、架空のカートゥーン・バンドという匿名性の強いコンセプト。
ブラーのフロントマンである、デーモン・アルバーンによるアナザー・プロジェクトであることは、後になって知ったのだが、とにかく当時はあらゆる音楽をジャンルレスに横断した、ゴッタ煮的サウンドにハマりまくった記憶がある。
シングルカットされて世界的に大ヒットとなったM-5『Clint Eastwood』、ヘロヘロの笛の音色が程よい膝カックンを保証するM-10『Rock The House』、チボ・マットの羽鳥美保による「Get the cool shoe shiine!」のシャウトがクールなM-11『19-2000』、ゆるーいダヴ・サウンドが気持ちいいM-16『Dracula』。
ビートを抑えた、ミドルテンポのトラックこそが彼らの真骨頂。ヒップホップ・オリエンテッドなロックナンバーをきどりながらも、その本質はブルージーな倦怠感にある。
2003年にリリースされたDVD『PHASE ONE:CELEBRITY TAKE DOWN』では、自分で画面操作しながらビデオクリップやショート・アニメを楽しめるなど、メディアの特性を活かしたインタラクティヴな試みも旺盛。正直、“ブリット・ポップの雄”ともてはやされていたBlurに全く馴染めなかった僕も、これならばマル。
ヴァーチャルな空間で繰り広げられる極上のユルロックに、何度もアクセスしてしまうだろう。
- アーティスト/Gorillaz
- 発売年/2001年
- レーベル/Virgin
- Re-Hash
- 5/4
- Tomorrow Comes Today
- New Genious (Brother)
- Clint Eastwood
- Man Research (Clapper)
- Punk
- Sound Check (Gravity)
- Double Bass
- Rock the House
- 19-2000
- Latin Simone
- Starshine
- Slow Country
- M1 A1
- Dracula
- Left Hand Suzuki Method
最近のコメント