大友克洋は、“記憶”の作家だ。
彼の物語では、個人の感情よりも、むしろ場所そのものが背負ってきた記憶が、都市や人間の振る舞いを決定してしまう。初期の代表作「童夢」(連載:80-81 単行本:83)は、表層的には超能力者同士の対決を描くバトル・アクション。しかし、集合住宅という空間が抱え込んだ暴力の残滓が、サイキック老人・チョウさんと共振するように膨張していく描写には、都市そのものが記憶を帯び、歪んだ形で噴き出すという構造がすでに立ち現れている。
代表作「AKIRA」(連載:82-90)にも、過去の蓄積が現在を縛り続けるという構図がみられる。舞台となるのは、第三次世界大戦から復興の途上にある2019年のネオ東京。オリンピックの開催が目前に迫り、復興の象徴として建てられた巨大スタジアムは、未来を指し示すランドマークだ。国家は華やかなイベントによって記憶の上書きを図るが、その奥底には、国家が隠蔽してきた人体実験の痕跡が沈殿している。「AKIRA」における能力の暴走は、忘却したはずのトラウマが都市を揺り戻すという、“記憶の回帰”として立ち上がってくるのだ。
ぜひご一読ください!
- 製作年/1995年
- 製作国/日本
- 上映時間/113分
- ジャンル/アニメ、SF
- 監督/大友克洋、森本晃司、岡村天斎
- 脚本/大友克洋、今敏
- 製作/山科誠、渡辺繁、八木ヶ谷昭次、宮原照夫
- 製作総指揮/大友克洋
- 原作/大友克洋
- 撮影/枝光弘明、川口仁
- 音楽/菅野よう子、三宅純、長嶌寛幸
- キャラクターデザイン/井上俊之、川崎博嗣、小原秀一
- 磯部勉
- 堀秀行
- 林勇
- MEMORIES(1995年/日本)
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