80分の出来事をリアルタイムで描く、大人の恋の駆け引き
親愛なるジュリー・デルピー様
お久しぶりです、竹島ルイです。覚えていらっしゃいますでしょうか?以前、『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』(1995年)の感想を手紙で送らせていただいた者です。
前作から9年ぶりに製作された続編、『ビフォア・サンセット』(2004年)を拝見いたしました。この映画における貴女がいかに素晴らしいかを伝えたくて、再びペンをとりました。
『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』では、タイトル通り夜明けを迎えるまでの14時間の出来事を描いておりましたが、『ビフォア・サンセット』では、夕暮れまでのわずか80分少々の出来事を、リアルタイムに描いています。
暮れなずむパリの街角で、イーサン・ホークとつかの間のデートを楽しむ貴女は、9年前よりもさらに美しく、ユーモアに富み、理知的な女性になられていました。小生は常々「女性は30代から」を公言しているのですが、まさに貴女はそれを見事に体現なさっています。
今回貴女はやたらセックスの話をされますが、最近の性生活にご不満なのでしょうか?しかしこんなに明け透けな話をしても、全く嫌らしさを感じないのが貴女の魅力です。
下世話な話も、環境問題の話も、あなたの口から発せられると、全てがウィットに富んだ会話に思えてしまうのです。それは生まれながらに持っている上品さ故なのでしょう。
小生にとって思わぬ僥倖だったのは、貴女のギターの弾き語りを拝見できたことです。トレヴィアン!貴女がつま弾くワルツは、春の木漏れ日のように柔らかで、野に咲く花々にように可憐でした。
何でも貴女は、実際に歌手として『Julie Delpy』なるアルバムを発表されているとのこと。申し訳ございません。小生、全く承知しておりませんでした。Amazonで早速購入して、謹んで拝聴させていただきます。
ギターの弾き語りのあと、貴女はニーナ・シモンの歌を口ずさみながら、腰をくねらせて踊ります。嗚呼、何とチャーミングなのでしょうか。いつまでもこの光景を見ていたい…小生は強くそう思いました。
飛行機に乗り遅れようが、地球が壊滅しようが、そんなの関係ありません!パリの片隅で踊る貴女の姿を、ただただうっとりしながら見つめていたい。小生の願いはただそれだけなのです。
長文、失礼いたしました。くれぐれもお体にはくれぐれもご自愛ください。貴女の今後の活躍を祈っております。小生はこれから前作の『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』のDVDを再び借りにTSUTAYAに行って参ります。
草々
- 原題/Before Sunset
- 製作年/2004年
- 製作国/アメリカ
- 上映時間/77分
- 監督/リチャード・リンクレイター
- 製作/リチャード・リンクレイター、アン・ウォーカー=マクベイ
- 製作総指揮/ジョン・スロス
- 原案/リチャード・リンクレイター、キム・クリザン
- 脚本/リチャード・リンクレイター、ジュリー・デルピー、イーサン・ホーク
- 撮影/リー・ダニエル
- イーサン・ホーク
- ジュリー・デルピー
- ヴァーノン・ドブチェフ
- ルイーズ・レモワン・トレス
- ロドルフ・ポリー
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