男を悩殺するために生まれてきたセクシー・ダイナマイト、BB(ベベ)ことブリジット・バルドー。何てったって、バスト99、ウェスト49、ヒップ89のパーフェクト・プロポーション。
クルト・ユルゲンス演じるエロ社長のエリックが、「彼女は男を堕落させる魔性の女だ」と語るシーンがあるが、そりゃそーだろ。髪をアップにしてワンピースでクネクネ踊る姿は、イヤラシイの一言に尽きる。
これが監督デビュー作となるロジェ・ヴァディムは、当時新婚ワイフだったBBをイントロから全裸で登場させるなど、サービス心満点。天真爛漫、気まぐれ、小悪魔、女豹な21歳の若妻の魅力を、余すことなくフィルムに焼き付けている。
逆に言えば、この映画はただそれだけ。ドラマは、野性的なセックスアピールで女性を虜にするアントワーヌ、気弱な青年ミシェル、彼女に指一本出せない小心者社長のエリックによる陳腐な三角関係(四角関係?)を軸に進行する。
愛を知らずに育った孤児院出身のBBが、義母に「アンタは男なら誰でもいいのか!?」と聞かれて、「女でも構わないわ」と答えるあたりは、彼女の孤独や傷心が垣間見えるが、内面を掘り下げたシーンは実はこれぐらい。
ミシェルが拳銃でBBを撃ってしまう(見事に外し、社長に当たってしまう!)シーンなんて、ひどすぎやしないかい。
ハリウッド産の甘ったるいロマンチック・コメディーじゃないんだから、み~んな堕ちていくところまで堕ちていって欲しいよなあ。刹那的に生きている女の子の話なんだから、刹那的なエンディングを期待していたんだが。
気弱な青年ミシェルを演じるは、ジャン・ルイ・トランティニャン。フランスを代表する二枚目俳優も、若かりし頃は、こんなやさ男だったんですね。
しかし実生活では、トランティニャンとバルドーはこの映画の共演がきっかけに恋に落ち、ロジェ・ヴァディムは離婚という形で恋女房をさらわれてしまっているのである。まさに映画を地でいくかのような展開。
やっぱBBは、男を堕落させる魔性の女だよ。
- 原題/…Et Dieu Crea La Femme
- 製作年/1956年
- 製作国/コロンビア、フランス
- 上映時間/91分
- 監督/ロジェ・ヴァディム
- 脚本/ロジェ・ヴァディム、ラウール・J・レヴィ
- 製作/ラウール・J・レヴィ
- 撮影/アルマン・ティラール
- 音楽/ポール・ミスラキ
- ブリジット・バルドー
- クルト・ユルゲンス
- ジャン・ルイ・トランティニャン
- クリスチャン・マルカン
- ジョルジュ・プージュリー
- ジャン・ティシェ
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