アイランド/マイケル・ベイ

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『アルマゲドン』のあまりの酷さに、「今後一切、マイケル・ベイ監督作品は観るまじ!」という鉄の掟を己に課してから、はや十数年。

まるでそんな宣言などなかったかのように、僕は平然と彼が監督を務めた『アイランド』をTSUTAYAでレンタルし(しかも半額キャンペーン期間中に!)、大切なフライデーナイトをこの作品の鑑賞に充てたのであった。この約束不履行ぶりは、昨今の政治家にも通じるものがあります。

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結論から言うと、『アルマゲドン』ほどではないにしろ、やっぱり『アイランド』も如何ともしがたい出来だった。観賞後、僕は「今後一切マイケル・ベイ監督作品は観るまじ!」という決心を再び固めたのである。

別にその理由は、「脚本がご都合主義すぎる!」とか、「ベッドシーンでスカーレット・ヨハンソンの豊乳を映さないのは、どういうことやねん!」とか、「スティーブ・ブシェミをあっさり殺すな!」とかにあるのではない。その理由は、もっと映画として本質的なものだ。つまり編集である。

マイケル・ベイという映画作家は、意識的に「シーンを繋ぐ」ということを放棄してるんではないだろうか。そもそもモンタージュというものは、教科書風に言えば「予め撮影された素材を解体し、論理的に再構成する」と云う作業なはず。

しかし、彼の作品は致命的にその論理性が破綻しており、演出する者として観客に最低限伝えなければならない「時間の経過」や、「キャラクターの位置関係」を、ぜーんぜん提示できていないのである。

ほとんどジャンプカットのように寸断なく(あるいは脈絡なく)シーンが切り替わっていくのは、マイケル・ベイがエモーションという甚だ頼りない己の嗅覚を拠り所にして、映画を構築しているからではないかと推察する。

ユアン・マクレガーとスカーレット・ヨハンソンのラブシーンを情感たっぷりに描くことはできても、二人の感情が高まっていく過程は何一つ提示することはできない。観客は緩急のないジェットコースターに手足を縛られたまま乗り込まされ、2時間のあいだ一定した上下運動に身を投じるのである。

『アイランド』は、カット至上主義の作品だ。どのフレームを切り取っても、ドラマチックでダイナミックな画として成立してはいるものの、逆に言えば、ストーリーをスライドショー形式でしか語れていない。それを映画と呼ぶには、僕は大きなためらいを感じてしまう。

DATA
  • 原題/The Island
  • 製作年/2005年
  • 製作国/アメリカ
  • 上映時間/136分
STAFF
  • 監督/マイケル・ベイ
  • 製作/マイケル・ベイ、イアン・ブライス、ウォルター・F・パークス
  • 製作総指揮/ローリー・マクドナルド
  • 原案/キャスピアン・トレッドウェル・オーウェン
  • 脚本/キャスピアン・トレッドウェル・オーウェン。アレックス・カーツマン、ロベルト・オーチー
  • 撮影/マウロ・フィオーレ
  • 美術/ナイジェル・フェルプス
  • 衣装/デボラ・リン・スコット
  • 音楽/スティーヴ・ジャブロンスキー
CAST
  • ユアン・マクレガー
  • スカーレット・ヨハンソン
  • ジャイモン・フンスー
  • スティーブ・ブシェミ
  • ショーン・ビーン
  • マイケル・クラーク・ダンカン
  • イーサン・フィリップス
  • グレン・モーシャワー
  • ショウニー・スミス

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