『アバター』とか『サマーウォーズ』とか『HINOKIO』とか、最近自分の分身を操るアバター系SF映画ばっか観ているような気がするんだが、この『サロゲート』ご多分にもれずそーゆー映画である。
自分自身は家から一歩も出ず、遠隔操作して分身となるロボット(サロゲート)を操り、社会生活を営んでいるという近未来世界の設定なんだが、そのサロゲート普及率が98%という設定がすごい。いやー人類皆引きこもりってコトですか。カラダなまっちゃいますね。
このサロゲート、生身の人間の身代わりロボットとしてだけではなく、「こうありたい自分」を自由にデザインして、自分を理想化することができる。
ブロンド美人のオペレーター(操作主)が、メタボ親父だったというオチもあり。血の通っていない身代わりロボットが街中を跋扈する世界にあって、愛する者のために孤軍奮闘するのが、生身のブルース・ウィリスである。
彼は『ダイ・ハード』でも『12モンキーズ』でも『アルマゲドン』でも、その肉体に傷を負い、血と汗と涙を流しながら、セーブ・ザ・ワールドを成し遂げてきた。リアルな肉体的体験こそ、「生きる」ことと同義なり!
そんなアナクロな世界観を体現できるのは、我らがウィリス兄貴しかおりません(スキンヘッドがもはやデフォルト状態のウィリスのサロゲートが、金髪フサフサというのが笑えますが)。
という訳でウィリス兄貴はこの映画でも老体に鞭打って頑張っておられるんだが、89分間という短い尺の割に物語構造が複雑なんで、話の筋をきちんと掴んで鑑賞しないと途中で振り落とされそうになる。
ジョナサン・モストウはどうもテンポにとらわれすぎていて、ストーリー全体を整理しきれていない印象なり。
コントロールを失ったサロゲートたちが、一斉にバタバタ倒れるシーンはビミョーに吉本新喜劇っぽくて好きなんですけどね。
- 原題/Surrogates
- 製作年/2009年
- 製作国/アメリカ
- 上映時間/ 89分
- 監督/ジョナサン・モストウ
- 製作/デヴィッド・ホバーマン、トッド・リーバーマン、マックス・ハンデルマン
- 製作総指揮/デヴィッド・ニックセイ、エリザベス・バンクス
- 原作/ロバート・ヴェンディティ、ブレット・ウェルデル
- 脚本/マイケル・フェリス、ジョン・ブランカトー
- 撮影/オリヴァー・ウッド
- 衣装/エイプリル・フェリー
- 編集/ケヴィン・スティット
- 音楽/リチャード・マーヴィン
- ブルース・ウィリス
- ラダ・ミッチェル
- ロザムンド・パイク
- ボリス・コジョー
- ジェームズ・フランシス・ギンティ
- ヴィング・レイムス
- ジェームズ・クロムウェル
- ジャック・ノーズワージー
- デヴィン・ラトレイ
- マイケル・カドリッツ
- ジェフリー・デ・セラーノ
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