こんばんわ、竹島ルイです。今日は皆さんと一緒にスピルバーグの傑作『ジョーズ』を観賞していきましょう。スピルバーグの映画作家としての素晴らしさを知るには、最も良いテキストではないでしょうか。
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- オープニング
- 3分
- 海で泳いでいた女性がサメに襲われる
なかなかサメをみせない映画で、ファーストシーンが「サメの視点からの映像」というのは、なかなかシャレてますね。以降、人が襲われるシーンでは必ず「サメの視点からの映像」が挿入されます。これはあとでドラマを盛り上げる伏線になります。
- 4分
- ロイ・シャイダー演じる警察署長の一家団欒のシーン。電話で浜辺に水死体があがったという報告を受ける
- 7分
- 浜辺での検死
- 8分
- 署長室に死因はサメによる襲撃との報告が入る
- 10分
- 署長、すぐに海岸を封鎖しようとするが、市長らが「あの報告は間違いだった」と撤回するように指示
ロイ・シャイダーはニューヨークから来た他所ものという設定なんですね。そんな彼が警察署長として島民の人命を預からなくてはならない、という葛藤がドラマに奥行きを与えています。まったく危機管理能力の欠如している市長もいい味だしてますね。署長夫人、あんまり可愛くないです。
- 22分
- 署長、サメのお勉強。奥さん、子供にマジキレ
- 25分
- 夜中のサメ釣り。男たち、サメに襲われ危機一髪
- 27分
- 懸賞金目当てにサメ退治に向かう一団。リチャード・ドレイファス演じるサメ学者登場
- 30分
- ドレイファス、遺体を調べてサメの襲撃によるものと認定
- 32分
- 巨大なサメを捕獲。署長、未亡人からビンタをくらう
- 42分
- サメの解剖、そのまま海へ
- 47分
- 漂流船と遺体の発見
- 49分
- 市長との大激論。でも結局海開き
ロイ・シャイダーとリチャード・ドレイファスの奇妙な友情が、ものの20分ほどで芽生えてしまいます。これも「市長」という対立軸があってこそ。スピルバーグは決して人間の描けない作家ではありません。
- 52分
- アミティ島に海水浴客がたくさんやってくる
- 58分
- 少年たちがサメの格好でイタズラ。いい迷惑
- 61分
- 本物のジョーズ登場。海岸は大パニックに
- 65分
- 署長、ロバート・ショーとサメ狩りの契約
- 71分
- 三人、船に乗って海へ出航
いよいよドラマは佳境へ。本物のジョーズが登場するあたりの演出、音の使い方は見事に緊迫感をあおっていますね。スピルバーグはモブシーンでも才能をみせつけてくれます。
- 73分
- オルカ号の船上。ロバート・ショーがサメを釣る?
- 80分
- ジョーズ、突然姿を現す。「もっと大きな船が必要だ」。その大きさに愕然とする三人
- 83分
- ジョーズとの格闘。樽つきのモリを撃ち込む
- 85分
- 夕食。三人のキズ自慢、そしてロバート・ショーの思い出話
ロバート・ショーが過去を語るシーンは、スピルバーグも特にお気に入りのシーンらしいです。しかしワガママなロバート・ショーは、自分のセリフをほとんど自分で書き換えてしまったそうで、スピルバーグも相当気を使ったでしょうねえ。
- 92分
- 夜の闇の中、樽がゆっくりと接近
- 95分
- 朝になって、樽が海上に浮上する
- 99分
- 再びジョーズとの格闘。二つ目の樽えお撃ち込んだにもかかわらず、サメは海中に身を沈めてしまう
- 100分
- 樽が海上に浮上。綱をたぐりよせて船に縛り付ける三人。しかしジョーズがものすごい力で船を引っ張ってしまう
- 103分
- 綱を怪力でもぎりとってしまうジョーズ。船は浅瀬に逃げるが、サメは追いかけてくる。…こわい…
- 106分
- 黒い煙を吐き出すオルカ号。しかもエンジンまで出火
たしか映画監督の黒沢清が手塚真との対談で言ってたんですが、圧倒的なサメのスピードをみせつけられてリチャード・ドレイファスが「はやいな」とか言ってニヤリとする。主役の三人が危機的状況に陥っているというのに、何故か「はしゃでしまう」というこの感覚が好きなんだ、みたいなことを発言していました。
僕も全く同感です。物語としての進行とはまた別の、純粋に映画的な興奮があるんですね。
- 108分
- 完全に立ち往生したオルカ号。沈没寸前
- 110分
- 毒の入った注射でジョーズを倒そうと、海中にオリを沈める。リチャード・ドレイファス、緊張のあまりツバも出ない
- 111分
- ジョーズがオリに近付き大暴れ。注射を落としてしまったリチャード・ドレイファス、パニックになりながらも何とか脱出
- 115分
- 船上に残った二人がオリを引き上げるも、誰も居ず。と、突然ジョーズがオルカ号を襲撃!!ロバート・ショー、ジョーズに食いつかれ、息絶える。アーメン
いやー死んじゃいました、ロバート・ショー。はっきりいってこのシーン、メチャクチャ恐いです。スピルバーグはこういった暴力描写には天才的な冴えをみせますね。やはりこの人は、資質的にサスペンス畑の作家だと思います。
- 116分
- 船室に逃げた署長、ジョーズの口にボンベを放り込む。海中に消えるジョーズ。署長、すっかり傾いたオルカ号のマストによじ登り、ライフルでジョーズを狙う
- 118分
- 弾が見事にボンベに命中!!ジョーズは木っ端微塵に
- 119分
- 今さらながらリチャード・ドレイファスが呑気に登場、お互いの生存を喜びあう。樽につかまって岸辺に向かう二人
- 121分
- 海岸にたどりつく二人。エンドロール
二人が樽につかまって泳ぎながら、「海が嫌いだった」なんてロイ・シャイダーが言ったりするシーン、いいですね。
そして、想像を絶するような恐怖体験をしてきた二人を温かく優しく包み込むような、ジョン・ウィリアムズの音楽。海は時には猛々しく、時には穏やかな顔をみせてくれるのです。観るものをホッとさせてくれる、素晴らしいエンディングですねえ。
…えー、皆さんいかがだったでしょうか。今日は『ジョーズ』を通してスピルバーグのスゴさが確認できましたね。ではまたお会いしましょう。
サヨナラ。サヨナラ。サヨナラ。
- 原題/Jaws
- 製作年/1975年
- 製作国/アメリカ
- 上映時間/124分
- 監督/スティーヴン・スピルバーグ
- 製作/リチャード・D・ザナック、デヴィッド・ブラウン
- 原作/ピーター・ベンチリー
- 脚本/ピーター・ベンチリー、カール・ゴットリーブ
- 撮影/ビル・バトラー
- 音楽/ジョン・ウィリアムス
- 美術/ジョセフ・アルヴス・Jr
- 編集/ヴァーナ・フィールズ
- ロイ・シャイダー
- ロバート・ショー
- リチャード・ドレイファス
- ロレイン・ゲイリー
- カール・ゴットリーブ
- マーレイ・ハミルトン
- ジェフリー・クレイマー
- スーザン・バックリーニ
- ジョナサン・フィレイ
- クリス・レベロ
- ジェイ・メロ
- テッド・グロスマン
- ピーター・ベンチリー
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