ちょっとエッチでオツムの弱そうなギャルを演じさせたら彼女は天下一品。しかも最終的にイケメンのマット・ディロンじゃなく(プライベートではこの二人は当時カップルだったのだが)、ダメ男のベン・スティーラーを選ぶたあ、こいつは世の負け組男子を救済するフェアリー・テールだ。
お馬鹿ブラザーズのファレリー兄弟が、唖然とするほど低レベルでお下品なギャグをちりばめているのに関わらず、文句も言わずに(いや、本当は言っているかもしんないけど)、最高のコメディエンヌぶりを嬉々として演じているキャメロン・ディアスって、本当に性格いいんだろうな。
ベン・スティーラーが飛ばした精液をジェルがわりに頭につけるシーンなんて、普通の女優ならブチキレ必至。これでもっとサービスカットを見せてくれたら、ますますファンになったんだが。
秀作『ビューティフル・ガールズ』(1996)では過去の栄光に縛られている元悪ガキという、現実そのまんまを演じてみせたマット・ディロンだが、この映画ではイケてない探偵を体当たりで演じて逆に男をあげた。
そうだディロン、もっとアホになれ!キミはブラッドパックの数少ない勝ち組なのだから(ギリギリで)!間違っても演技派に転向、なんてトンチキなことはぬかさないでくれよ。
狂言廻しのように現れる謎のミュージシャン(ジョナサン・リッチマン)が、登場人物の心象風景を楽曲で語ってしまうという手法も、力づく感が満載で実にいい感じ。
全編を貫く脳天気なポジティブシンキングには、学園モノ全盛だった頃のウェストコーストな’80sを彷佛とさせる。全米映画協会(MPAA)からR指定を受けても、そんなの関係なし!動物虐待、障害者差別バッシングなんてクソ食らえ!
こんなアホまる出しの映画が作れるアメリカという国は、やはり懐が深い。
- 原題/There’s Something About Mary
- 製作年/1998年
- 製作国/アメリカ
- 上映時間/119分
- 監督/ピーター・ファレリー、ボビー・ファレリー
- 製作/フランク・ビドア、マイケル・スタインバーグ、チャールズ・ビー・ウェスラー、ブラッドレイ・トーマス
- 原案/エド・デクター、ジョン・ジェイ・ストラウス
- 脚本/エド・デクター、ジョン・ジェイ・ストラウス
- 撮影/マーク・アーウィン
- 音楽/ジョナサン・リッチマン
- キャメロン・ディアス
- マット・ディロン
- ベン・スティラー
- リー・エヴァンス
- クリス・エリオット
- ジェフリー・タンバー
- マーキー・ポスト
- リン・シェイ
- ジョナサン・リッチマン
- キース・デヴィッド
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