シュワルツネッガーが悪魔とタイマン張る、IQ低めのB級アクション
シュワちゃんも、秘密結社やらエイリアンやら様々な敵と戦ってきたが、今回の相手が間違いなく最強だろう。何てったって“悪魔”そのものなのだから。
世紀末にふさわしいと言っちゃえばそれまでだなんだけど、やや無理を感じないでもない。ホラーとアクションを、シュワちゃんという接着剤によって無理矢理結婚させてしまった、と~っても強引な作品ではある。
シュワちゃんが主演しているくらいだから火器満載、やたら爆発しまくるアクション映画には違いないんだが、過去に『カプリコン・1』や『アウトランド』(1981年)といった、骨太サスペンス映画を世に送り出してきたピーター・ハイアムズの手によって、IQ低めのB級テイストになることは阻止。
押さえた色調のカメラや、バチカンやら黙示録やらの定番のキリスト教的モチーフによって、本格感を醸し出そうと努力している。
とはいえ、今までどんな敵にも圧倒的なパワーでなぎ倒してきたシュワちゃんが、悪魔信者の小太りオバちゃんにコテンパンにやられるシーンは、荒唐無稽すぎやしないか。っていうか個人的には、おおいに笑わせていただきました。悪魔を崇拝するだけで、こんな怪力が得られるのか?
悪魔を嬉々と演じるのはご存知、ガブリエル・バーン。この人、最近こんな役ばっかりのような…。たしかに彫りの深いルックスと勿体ぶった演技は、ホラー向き。B級専門役者になりさがってしまった、第二のランス・ヘンリクセンにならないように頑張って下さい。
“予言された子”を演じるヒロインを演じるは、新進女優(だよな。他に観たことないぞ)ロビン・ダニーちゃん。さして特筆するべきこともないようなフツーの女優さんだが、意味もなく突然ヌードになってくれたりしちゃってくれるので、まあヨシとしよう。その調子でこれからも脱ぎまくってくれ。
シュワちゃんも家族を強盗事件によって失い、以後発作的に自殺を図りそうになるという難役を演じているが、相変わらずのダイコンぶりで特に説得力はなし。
結局悪魔を倒すのは“愛のチカラ”であるという、あまりにも陳腐なラストには驚愕しました。
- 原題/End Of Days
- 製作年/1999年
- 製作国/アメリカ
- 上映時間/122分
- 監督/ピーター・ハイアムズ
- 製作/アーミアン・バーンスタイン、ビル・ボーデン
- 脚本/アンドリュー・ダブリュ・マーロー
- 音楽/ジョン・デブニー
- 美術/リチャード・ホランド
- 撮影/ピーター・ハイアムズ
- 編集/スティーヴン・ケンパー
- 衣装/ボビー・マニックス
- アーノルド・シュワルツネッガー
- ガブリエル・バーン
- ロビン・タニー
- ロッド・スタイガー
- ケビン・ポラック
- CCH・パウンダー
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