フロア仕様のエレクトロニカ・ハウスにシフトチェンジした、2ndアルバム
まさかこんな日が来るとは思わなんだ。
我らがPerfumeの2ndアルバム『GAME』(2008年)が発売1週目で15.4万枚を売上げ、週間アルバムランキングで堂々の1位を獲得!テクノユニットとしてはYMO以来24年11ケ月ぶりという快挙らしい。
思えば、僕が武蔵野美術大学の芸祭で彼女のステージをみたのが、2年前の2006年。天衣無縫な可愛さと天地無用なパフォーマンスで僕のハートを撃ち抜き、「彼女たちは将来絶対に大物になる!」と確信したのは間違いではなかった。彼女たちは駆け足でスターダムにのし上がってしまったのである。
という訳で小生、寝る間も惜しんで『GAME』を聴きまくった訳ですが、どうやら『モノクロームエフェクト』や『ビタミンドロップ』といった、ブレイク前のちょっと垢抜けないテクノ・ポップ(もちろんこれは意図的な計算だったのだが)とは完全に訣別。
80年代のテクノ歌謡を思わせるピコピコしたアイドル・ポップから、ブリーピーなベースラインやキック音が気持ちいいフロア仕様のエレクトロニカ・ハウスにシフトチェンジしている模様。『セラミックガール』なんて、アナログ・シンセの使い方からしてもうほとんどDaft Punkだもんね。
公共広告機構のCMソングに使用された『ポリリズム』の大ヒットによって、スタイリッシュなエレクトリック・サウンドがPerfumeのデファクトスタンダードになってしまった訳だが、よくよく考えてみれば、拍子の一致しないリズムを同時に鳴らすという変拍子(ポリリズム)の楽曲を、ここまでポップに紡ぎ上げてしまうというのは、とてつもないことだと思う。
アキバ系×渋谷系=アキシブ系などという意味不明なキャッチフレーズを一刀両断に斬り捨てるほどの、精緻なサウンド・プロダクションがここにあるのだ。
『GAME』は、作詞・作曲・アレンジと全てのイニシアチブを握った中田ヤスタカが、完全に己の色に染め上げたパーソナル感の強いアルバムでもある。
歌手の個性を無機質なまでに均一化してしまうヴォーカル・エフェクトをかけまくったサウンドは、もはや彼の別プロジェクトCapseleとの差異を見つけるのが困難なほど。
しかしながらPerfumeの三人は、この匿名性の強い音楽から極めて磁場の強いパーソナリティーをお茶の間で発揮してしまった(特にあーちゃん)。無個性から生じた唯一無二な個性にこそ、このグループの末恐ろしさが潜んでいる。
- アーティスト/Perfume
- 発売年/2008年
- レーベル/徳間ジャパンコミュニケーションズ
- ポリリズム
- Plastic Smile
- GAME
- Baby Cruising Love
- チョコレイト・ディスコ
- マカロニ
- セラミックガール
- Take Me Take Me
- シークレットシークレット
- Butterfly
- Twinkle Snow Powdery Snow
- Puppy Love
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