キュートでポップななエレクトロニカから、音圧の強いアグレッシヴなディスコ・ビーツへ
2006年の今なお、ピチカート・ファイヴを何の照れもなく聴けちゃう人は、時代的な感性がよほど欠けているか、そもそも何も考えずに聴いているかどちらだと思う。
初めてCapsuleを初めて聴いた時に感じた居心地の悪さというのもたぶん、分かりやすいくらいのピチカート・フォロワー・サウンドだったからだと思う。パリパリのオサレ感に思わず笑っちゃうんである。
アート・ディレクションも手がける中田ヤスタカ、キュートヴォイスが男心を捉えて離さないこしじまとしこ。
彼らが2001年に『ハイカラガール』をドロップした頃は、ちょっと野暮ったいくらいのエレポップ。正直、「可愛いインテリア・ポップ・ミュージック」ぐらいの印象しかなかった。
しかし2005年の『S.F. Sound Furniture』あたりになると、ボサノヴァとかラウンジ・ミュージックだとかフレンチポップのエッセンスがふんだんに散りばめられた、”小西康陽的”サウンドへ。
渋谷系の呪縛とはかくも強力なのか。正直、これが彼らの最終着地点だと思ってた。
ところが『Fruits Clipper』(2006年)を聴いて仰天。これまでの”キュートでポップななエレクトロニカ”というイメージを払拭するような、音圧の強い、ヘビーでアグレッシヴなサウンド。
ウォーターフロントのハコでレーザービームが交錯するなか、Boys & Girlsの熱狂が目に浮かぶかのような、クラバー御用達のディスコ・ビーツに仕上がっているんである。
超ゴキゲンなフレンチタッチ・フィルターハウス満載の、このクラブ・ミュージック・アルバムは、Daft Punk meets Pizzicato Fiveとも言うべき様相を呈している。ここまでやってくれれば、誉めるっきゃない。
こうなったらもうどこまでも、行けるとこまで行っちゃってください。
- アーティスト/Capsule
- 発売年/2006年
- レーベル/ヤマハミュージックコミュニケーションズ
- CS Entrance6
- FRUITS CLiPPER
- jelly(album-edit)
- CrazEEE Skyhopper
- 5iVE STAR
- Endor
- Robot Disco
- super speeder Judy Jedy
- megalopolis
- dreamin dreamin
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