いま映画における言論空間で求められているのは、いわゆる映画批評……「これまでの歴史と照らしわせて、その作品がどういう位置づけにあるのか」という映画史論や、「編集や撮影が、ストーリーに対してどのように機能しているのか」という技術論ではないように感じる。「冒頭のテロップに登場する聖書の一説は、こういう意味なのデス!」とか、「クライマックスのあのシーンは、超有名映画のオマージュなのデス!」というような、わかりやすい解説である。
ネタバレ解説記事の需要が高いのは、設定が難解すぎてキャパオーバーになったり、解釈が多義的すぎて不安になったり、散りばめられたイースターエッグ(小ネタ)が意味不明だったり、1回の鑑賞だけではコンテンツを咀嚼しきれなかった読者が、より深いレベルで物語を受容するために(もしくは自分自身の解釈との答え合わせをするために)、記事や動画を漁りまくるからだ。それは至極当然な行為だろう。
ぜひご一読ください!
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