『怪物』の考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました

『怪物』世界を反転させる、脱・是枝裕和映画 ※注!ネタバレ含みます。」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。

怪物だーーれだ?

耳をつんざくような、けたたましいサイレン。漆黒の空を照らすように燃え盛る業火。私たちは冒頭から、どこかの街のどこかのビルが、炎に包まれるさまを目撃する。この火災は事故なのか、それとも放火なのか。その答えは開示されず、宙ぶらりんのまま、是枝裕和監督の最新作『怪物』(23)は幕を開ける。何と美しく、何と不穏なオープニングであることか。

『そして父になる』(13)で、カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞。『万引き家族』(18)では、カンヌ最高賞のパルム・ドールを受賞。活躍の場は日本を飛び越え、『真実』(19)ではカトリーヌ・ドヌーヴやジュリエット・ビノシュ、『ベイビー・ブローカー』(22)ではソン・ガンホやぺ・ドゥナを主演に迎えている。是枝裕和が日本を代表する映画監督であり、世界から注目される巨匠であることは、今さら説明の必要もないだろう。

そして彼は、第1作の『幻の光』(95)を除いて、自作のシナリオを全て手がけてきたことでも知られている。自らの手で物語を創造し、自らの手で演出し、自らの手で編集することで、唯一無二の是枝ワールドを構築してきたのだ。

ぜひご一読ください!

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