『ヘル・レイザー』の考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました

『ヘル・レイザー』その戦慄の美学は、究極の快楽か、究極の痛みか」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。

サム・ライミ監督の『死霊のはらわた』(81)、ジョン・カーペンター監督の『遊星からの物体X』(82)、デヴィッド・クローネンバーグ監督の『ザ・フライ』(86)…。大量のホラームービーが狂い咲いた80年代。そんな百花繚乱な時代の終わりに、イギリスから異色の恐怖映画が届けられる。戦慄の美学に貫かれた、クライヴ・バーカー監督の『ヘル・レイザー』(87)。続編・関連作品は10本を数え、2022年にはリブート作品も作られている(日本未公開)。スティーヴン・キングは、「私はホラーの未来を見た。彼の名前はクライヴ・バーカー」という賛辞を送った。

少なくとも筆者にとって、『悪魔のいけにえ』(74)のレザーフェイス、『13日の金曜日』(80)のジェイソン、『エルム街の悪夢』(84)のフレディ・クルーガー、そして『チャイルド・プレイ』(88)のチャッキーよりも、『ヘル・レイザー』に登場する地獄の魔道士ピンヘッドの方が、はるかに恐ろしい存在である。いやもう、とにかくビジュアルが怖すぎ。白塗りスキンヘッドで、顔一面釘だらけで、オンリー黒目。レンタルショップで、彼の大写しの顔がデカデカとプリントされたDVDジャケットをうっかり見てしまうたび、恐怖に震え上がっていた。ホラー映画は最恐キャラたちのショウケースだが、個人的にピンヘッドは頭一つ抜けていると思う。

原作のホラー小説「The Hellbound Heart(地獄に縛られた心)」で、ピンヘッドは決して目立つキャラクターとしては書かれてはいなかった。原作者のクライヴ・バーカー自ら監督・脚本を手がけた映画でも、出演時間は決して多くはない。だがその強烈なインパクトは、観客たちの脳裏にしっかりと刻まれた。映画を作ったあとになって、クライヴ・バーカーはこの魔道士が想像以上にアイコニックな存在であることを知る。

ぜひご一読ください!

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