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『お引越し』(1993)の考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました

『お引越し』過去を抱きしめて未来へと疾走する、11歳の女の子の冒険」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。

ずっと、相米慎二の映画が謎だった。そして今も、謎のままだ。それは、混乱と呼んでもいいし、戸惑いと言い換えてもいい。

なぜ『セーラー服と機関銃』(81)は、天下無双のアイドル・薬師丸ひろ子の相貌を、クローズアップで切り取らないのか。なぜ『ションベン・ライダー』(83)は、材木の集積場で繰り広げられるアクション・シークエンスを、あえて望遠レンズで撮り続けるのか。なぜ『雪の断章~情熱~』(85)は、時間も空間も超越するような異様なワンシーン・ワンカットの長回しを、オープニングからカマしてくるのか。

両眼はしっかりとスクリーンを捉えているはずなのに、過剰な作劇と過剰な演出によって、「自分はいま何を目撃しているのか?」と果てしない自問自答を繰り返してしまう。その戸惑いが、映画を何度も反芻させるスイッチとなり、いつしか相米慎二という怪物に対する畏敬の念となっていった。

しかも彼の映画は、ティーンエイジャーの役者たちによるしなやかな身体の躍動によって、ある種の生々しさすらも獲得している。永瀬正敏、工藤夕貴、斉藤由貴、牧瀬里穂。彼ら/彼女らが、走ったり、叫んだり、ずぶ濡れになったりする瞬間を、相米慎二はフィクションではなくドキュメンタリーのような眼差しで、スクリーンに焼き付けていく。

ぜひご一読ください!

DATA
  • 製作年/1993年
  • 製作国/日本
  • 上映時間/124分
  • ジャンル/ドラマ
STAFF
  • 監督/相米慎二
  • 脚本/奥寺佐渡子、小此木聡
  • 製作/伊地智啓、安田匡裕
  • 原作/ひこ・田中
  • 撮影/栗田豊通
  • 音楽/三枝成彰
  • 編集/奥原好幸
  • 美術/小川富美夫
  • 録音/紅谷愃一
  • 照明/熊谷秀夫
CAST
  • 田畑智子
  • 中井貴一
  • 桜田淳子
  • 須藤真里子
  • 田中太郎
  • 青木秋美
  • 笑福亭鶴瓶
FILMOGRAPHY