「恋愛とはファンタジーである!」と割り切ったノーラ・エフロンのお伽話
いやー可愛いッスね、メグ・ライアン。
愛くるしくて可憐であどけなくて無邪気で器量よしでおしゃまでくりくりしててチャーミングで愛らしくてキュートで純真で麗しくてべっぴんで妖精のようでお茶目でコケティッシュでメルヘンチックで清楚で無垢であいらしい。ホント、当時の彼女は天下無敵の可愛らしさであった。
そんなメグ様が、往年の名作『めぐり逢い』(1957年)のリメイク作品に出演したのが、この『めぐり逢えたら』(1957年)。勤労とか納税とかと同じように、国民の義務レベルで鑑賞すべきある。
『恋人たちの予感』(1989年)で脚本を担当したノーラ・エフロンがメガホンを握り、女性監督らしい細やかなタッチで全体をコーディネイト。スタンダード・ジャズをちりばめた小粋なBGMも洒落ていて、とってもいい感じ。
妻をなくしたショックからいまだ立ち直れない、シアトルの建築家(トム・ハンクス)。その息子がパパをはげまそうとラジオの身の上相談をし、たまたまそれを聞いていたボルチモアのアニー(メグ・ライアン)は何かしら運命的なものを感じる…。
でも運命の二人は、ラスト3分まで会えずじまーい!この作品の成功は、「主演の二人を最後の最後まで会わせない」という絶妙のプロット。恋愛映画において、すれ違いは最高のスパイスである。
『恋人たちの予感』で描かれていたような男女の機微といったものは薄弱かも知れないが、「恋愛とはファンタジーである!」と割り切った演出ぶりが、逆に好ましい。
ロブ・ライナーが『恋人たちの予感』で、あくまで現代のカップルをややシニカルな視点で切り取ってみせたのに対し、ノーラ・エフロンはお伽話として語りかけてくる。多少のご都合主義なんぞ気にしなーい!!
ちなみに僕はニューヨークに留学していた時、映画と同じくバレンタインデーにエンパイア・ステート・ビルに一人でのこのこ出かけていき、運命の人と衝撃的な出逢いがあるかと期待して展望台に行ったら、観光客しかいなかったというビター・メモリーがある。
ただひたすら寒かっただけ。現実は映画のように甘くない。
- 原題/Sleepless In Seattle
- 製作年/1993年
- 製作国/アメリカ
- 上映時間/105分
- 監督/ノーラ・エフロン
- 脚本/ノーラ・エフロン
- 製作/ゲイリー・フォスター
- 製作総指揮/リンダ・オスト、パトリック・クロウリー
- 脚本デヴィッド・ウォード、ジェフ・アーチ
- 撮影/スヴェン・ニクヴィスト
- 音楽/マーク・シャイマン
- トム・ハンクス
- メグ・ライアン
- ビル・プルマン
- ロス・マリンジャー
- ロージー・オドネル
- ギャビー・ホフマン
- ヴィクター・ガーバー
- リタ・ウィルソン
- バーバラ・ギャリック
- キャリー・ローウェル
- ロブ・ライナー
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