劇場で『GUNDA/グンダ』(20)の予告編を目撃したとき、脳天に稲妻が走った。一心不乱に母親グンダの乳を求める子豚たち、カウベルの音を響かせて駆け回る牛の群れ、逆光に照らされるなか一本脚で歩みを進める鶏。光沢のあるモノクローム映像で、農場に暮らす動物たちがありのままに切り取られている。何て美しく、何て神々しいことか!
おまけに、ポール・トーマス・アンダーソン、アルフォンソ・キュアロン 、アリ・アスター 、リン・ラムジーと、マイ・フェイバリット・フィルムメーカーたちもこぞって絶賛しているとあれば、確実に俺案件。一足早く試写で鑑賞させていただきましたが、想像を上回る“至高の映像体験”だった。
音楽なし、ナレーションなしの野心的なドキュメンタリー映画を作り上げたのは、ロシア出身のビクトル・コサコフスキー。レニングラード・スタジオ・オブ・ドキュメンタリーでアシスタント修行しながら研鑽を積み、母国の哲学者アレクセイ・フェドロビッチ・ロセフにフォーカスを当てた『Losev』(89)で長編映画デビュー。その後は、自分と同じ年月日に生まれた人たちを追った『Wednesday』(97)、サンクトペテルブルクの道路工事を撮影した『Hush!』(03)、環境問題に警鐘を鳴らす『アクアレラ』(19)など、あらゆる題材を撮り続けてきた。
ぜひご一読ください!
- 原題/Gunda
- 製作年/2020年
- 製作国/アメリカ、ノルウェー
- 上映時間/93分
- ジャンル/ドキュメンタリー
- 監督/ヴィクトル・コサコフスキー
- 脚本/ヴィクトル・コサコフスキー
- 製作/アニータ・レーホフ・ラーシェン
- 製作総指揮/ホアキン・フェニックス、トーネ・グロットヨルド=グレン
- 撮影/エーギル・ホーショル・ラーシェン、ヴィクトル・コサコフスキー
- 編集/ヴィクトル・コサコフスキー、アレクサンダー・デュダレフ
- 録音/アレクサンダー・デュダレフ
- GUNDA グンダ(2020年/アメリカ、ノルウェー)
![GUNDA/グンダ/ビクトル・コサコフスキー[DVD]](https://popmaster.jp/wp-content/uploads/61BNbYeywKL._AC_-e1707299521409.jpg)