Dinner Party/Dinner Party ディナー・パーティ

ブラック・ミュージックを席巻する四人衆が創り上げた、バラエティーに富んだサウンド・プロダクション

トシをとると、最新のカルチャーを追っかけていくのも億劫になってくる。できればお手軽&カンタンに摂取したいもの。

という訳で宇多丸師匠の『アフター6ジャンクション』は、マジで僕のアンテナを広げてくれる番組になってます。いつもありがとうございます。

ロバート・グラスパーという名前を知ったのも、2021年3月18日に放送された「ロバート・グラスパーを聴けば、今のジャズがわかる! 新時代のジャズ入門」だった(ゲストは柳樂光隆、小室敬幸の両氏)。

「これは捨ておけん!」と小生、グラスパー・ワークスをオニのように漁っていたところ、辿り着いたのが、ロバート・グラスパー、テラス・マーティン、カマシ・ワシントン、9thワンダーが立ち上げた「Dinner Party」のデビュー・アルバム、『Dinner Party』(2020年)。

コレは、ロバート・グラスパーとテラス・マーティンの発案によって始まったグループ。テラス・マーティンといえば、ケンドリック・ラマーやスヌープ・ドッグ、ハービー・ハンコックなどのプロデューサーを務めた超大物だが、彼がさらにお幼馴染のカマシ・ワシントンと、ヒップホップ・プロデューサーの9thワンダーに声をかけ、ブラック・ミュージックを席巻する四人衆が集結したのである(ちなみにジャケットのデザインを手がけたのは、カマシ・ワシントンの妹アマニ・ワシントン)。

いやーマジでかっこいいですよ、このアルバム。冒頭を飾るM-1『Sleepless Nights』から、カマシ・ワシントンのメロウなサックスが心地よく響き、フィーリックスのシルキーなヴォーカルが柔らかく重なる。

てっきりネオ・ソウル系と思いきや、M-4『First Responders』ではアーバン・ジャズ、M-6『Freeze Tag』では’70sなディスコ・ソウルナンバーと、バラエティーに富んだトラックが並ぶ。

ディアンジェロの『Black Messiah』 (2014年)を初めて聴いた時のような、ポストモダンかつネクストレベルのサウンド・プロダクションを強烈に感じたのである。

この『Dinner Party』を、ヒップホップ色強めに再録したのが、『Dinner Party: Dessert [Explicit]』(2020年)。

『Dinner Party: Dessert [Explicit]』(Dinner Party)

ハービー・ハンコック、スヌープ・ドッグ、ビラルと、ゲスト・ミュージシャンは完全にテラス・マーティン人脈。デザートにしてはボリュームありすぎ、インパクトありすぎ!!

DATA
  • アーティスト/Dinner Party(Terrace Martin、Robert Glasper、9th Wonder、Kamasi Washington)
  • 発売年/2020年
  • レーベル/Sounds of Crenshaw
PLAY LIST
  1. Sleepless Nights(feat. Phoelix)
  2. Love You Bad(feat. Phoelix)
  3. From My Heart and My Soul(feat. Phoelix)
  4. First Responders
  5. The Mighty Tree(feat. Kamasi Washington)
  6. Freeze Tag(feat. Phoelix)
  7. LUV U

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