『ハルカリベーコン』(2003年/HALCALI)
楽曲背景と意味を深掘り考察・批評・レビュー
『ハルカリベーコン』(2003年)は、HALCALIが発表したデビュー・アルバム。RIP SLYMEのRYO-ZとDJ FUMIYAによるプロデュース・ユニット「O.T.F」が全面バックアップを行い、脱力感のあるキュートなラップと、極めて洗練されたトラック・メイキングが融合したポップ・アイコンとしての地位を確立した。本作の魅力は、「タンデム」や「エレクトリック先生」に象徴される、オールドスクールなヒップホップへの敬意を払いながらも、軽やかでカラフルなガール・ポップへと転換した。
- 2004年ミュージック・マガジン:年間ベスト・アルバム テクノ/ハウス/ヒップホップ[日本]部門 第1位
昭和の美空ひばり、平成のHALCALI(という妄信)
皆さんはHALCALI好きですか。僕は好きです。っていうか大好きです。超好きです。「昭和の美空ひばり、平成のHALCALI」とまで言い切っていいものと妄信してます。嘘です。
HALCA(ハルカ)とYUCALI(ユカリ)でHALCALIというネーミングの安直さ、結成当時は現役女子中高生2人組というナウでヤングな感じ、すべてがイイ!!ニャーニャー!!
RIP SLYMEのRYO-ZとDJ FUMIYAによるO.T.F(オシャレトラックファクトリー)のサウンド・プロダクション、日本で一番時給が高いアート・ディレクター信藤三雄によるプロモーションビデオもイイ!!ニャーニャー!!
さらに音楽ファンとして絶対に見逃せないのが、RIP SLYMEのRYO-ZとDJ FUMIYAによるプロデュース・ユニット「O.T.F(オシャレトラックファクトリー)」が手掛ける極上のサウンド・プロダクションだ。
加えて、日本で一番時給が高いと言われるアート・ディレクター、信藤三雄によるプロモーション・ビデオの洗練されたポップセンス。これもまたイイ!!ニャーニャー!!と叫ばざるを得ない。
元を正せば、大学時代からの腐れ縁である友人T氏(変態)が、カラオケボックスで何かに憑かれたかのように彼女たちのデビュー曲『ギリギリ・サーフライダー』(2003年)を大熱唱したのが、僕とHALCALIとの出遭いであった。
しかしその後、渋谷のTOWER RECORDSの試聴機でデビュー・アルバム『ハルカリベーコン』(2003年)を偶然耳にし、そのフワフワとしたガーリー・ヒップホップの世界観に一発でノックダウンされるという、幸福な再会が待っていたのである。まさにオールチューン捨て曲なしの奇跡の名盤!!ニャーニャー!!
作られた脱力と、等身大の脱力
よく彼女たちはPUFFYと比較され、「脱力系ヒップホップ」といった安易なカテゴリーで括られることが多い。だが、個人的にそれは少し違うのではないかと考えている。
PUFFYの脱力感は、極めて高度なマーケティング戦略としての「脱力」である(デビュー曲『アジアの純真』(1996年)のあの振り付けなど、大人のプロによる”狙ってる感”の最たるものだろう)。
対してHALCALIの場合は、「普通の女子中学生が送る普遍的なユースフル・デイズ(青春の日々)」をそのまま歌わせてみたら、結果として自然と「脱力系」になってしまった、という順番なのだ。
現代という時代そのものがデフォルトで脱力化しているからこそ、彼女たちのリリックは、極めてリアリティーのある心象風景として僕たちの耳に音像を結ぶ。
「それはあれだ、夏のせい」と、まるでTUBEのようなベタなフリをしておきながら、「アイスキャンディー当たったせいで」と見事な肩透かしで落とすリリックのセンス。このベタベタなまでの日常感こそが、たまらなくストレートで心地よいではないか。
「ノット・スペシャル」という最強の武器
大貫亜美も吉村由美も規格外に可愛いPUFFYに比べて、HALCAとYUCALIのルックスは、びっくりするぐらい「フツー」である(親しみを込めて庶民的と言うべきか)。
しかし、この絶妙な「ノット・スペシャル感(特別じゃない感じ)」こそが、HALCALIというユニットを構成する上で最も重要なファクターなのだ。
というわけで、この原稿を書きながら、是が非でも一度彼女たちのライヴを観に行きたいという思いが募っている。だが、若いギャルたちに混じって僕のような五十路のオッサンがペンライトを振っていたら、明らかに警察沙汰スレスレの場違いであろう。
誰か同好の士が行く予定があれば、ぜひ保護者として僕も誘っていただきたい。
嗚呼、ハルカリセンセーション!!
- 1. intro.HALCALI BACON
- 2. タンデム
- 3. ギリギリ・サーフライダー
- 4. 嗚呼ハルカリセンセーション
- 5. おつかれSUMMER
- 6. ハルカリズム "CANDY HEARTS"
- 7. Conversation of a mystery
- 8. Peek-A-Boo
- 9. Hello, Hello, Alone
- 10. スタイリースタイリー
- 11. エレクトリック先生
- 12. 続・真夜中のグランド
- ハルカリベーコン(2003年)
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