2017/5/4

細野晴臣 STRANGE SONG BOOK-Tribute to Haruomi Hosono 2/V.A.

『STRANGE SONG BOOK – Tribute to Haruomi Hosono 2』──豪華アーティストが紡ぐ“細野宇宙”の再構築

『STRANGE SONG BOOK – Tribute to Haruomi Hosono 2』は、細野晴臣の楽曲を多彩なアーティストが再解釈したトリビュート作品で、オリジナル曲をもとにした新録音が多数収録されている。小平市立上宿小学校による「風の谷のナウシカ(Instrumental)」をはじめ、Senor Coconutによる「東京ラッシュ」、大貫妙子の「ファム・ファタール」、キセルの「四面道歌」など、異なるジャンルや編成の楽曲が並ぶ。さらに、Dr. John、Buffalo Daughter、久保田麻琴、吉田美奈子らが参加し、各曲が異なる背景や活動歴を持つ演奏者によって制作されている。曲順は複数の時代や地域に関わる楽曲で構成され、それぞれの演奏が細野の楽曲に基づいて制作されたことが特徴となっている。

風の谷のナウシカ(Instrumental)(小平市立上宿小学校 音楽委員会、音楽クラブ)

僕は小学校の頃鼓笛隊でトランペット吹いていたんだけど、『風の谷のナウシカ』(1984年)やりたかったなあ。木琴がメロディーラインを奏でるの、超キュートですよね。

東京ラッシュ(セニョール・ココナッツ)

アトム・ハート率いるラテン・プロジェクトのセニョール・ココナッツが、『東京ラッシュ』をラテンカバー。2006年に発表した『プレイズYMO』でも、YMOのナンバーをラテンテイストでカバーしているが(しかも本家メンバーの細野、坂本、高橋が参加)、このトラックもその延長線上にあるものだろう。

プレイズYMO
セニョール・ココナッツ

ろっかばいまいべいびい(ハース・マルティネス、ヴァン・ダイク・パークス)

伝説のシンガーソングライターのハース・マルティネスと、細野が師匠と崇めるヴァン・ダイク・パークスがタッグを組んだナンバー。世界的巨匠なのに、音楽はふんわり、まろやか。

ファム・ファタール(大貫妙子)

ナニ?大貫妙子がファム・ファタールとな?と、最初は違和感アリアリだったんだが、聴いてみると彼女の鉄仮面的ヴォーカリゼーションが、逆にファム・ファタール感を醸しだしていて、なかなか良ろし。

四面道歌(キセル)

ゆったりとしたギターのアルペジオで、原曲のパラディソ感=エキゾティシズムはかなり中和されているが、まるでトラディショナル・フォークのようなドリーミーな響きにウットリ。

AIWOIWAIAOU(ドクター・ジョン)

ドクター・ジョン先生がカバーすれば、どんなナンバーも男臭いブルース・ロックに様変わり。あれ、原曲ってどんなんだっけ?

福は内鬼は外(鈴木茂、青山陽一)

シゲルさんもヨーイチさんも、お元気で長生きしてください。

チャウ・チャウ・ドッグ(林立夫、ハミングキッチン)

タツオさんも、お元気で長生きしてください。

Pom Pom 蒸気(シーナ & ザ・ロケッツ)

めんたいロック meets ホソノ。吹き飛ばされる。

東京シャイネス・ボーイ(鈴木慶一)

さすがケイイチさん。『東京シャイネス・ボーイ』を、ここまでホーン・セクションを前面に押し出したサウンドに刷新するとは。イントロのアナログシンセが奏でる不穏さもグー。

インソムニア(HANNO+FUMIYA+AOKI)

青木孝允と半野喜弘と田中フミヤというテクノ・ゴッド三人衆が勢揃い。このメンツだと、やっぱ’90年代的な響きになるんですね。

ルーチュー・ガンボ(久保田麻琴)

実は「久保田麻琴と夕焼け楽団」ってこれまであんまり聴いて来なかったんですけど、こんな感じなんですね。琉球サウンド全力投球。

幸せハッピー(Double Famous、二階堂和美)

この顔ぶれで想像していた通りの、ハッピーチャーム。幸せだ。ハッピーだ。

ガラスの林檎(吉田美奈子、河合代介 DUO)

個人的に一番ビックリしたトラックがコレ。ライブでこの曲を披露した時には「私だとガラスを割っちゃうんだよね」とコメントしたそうだが、とにかく前のめりなリズム・セクションとソウルフルなヴォーカルに圧倒される。

シムーン(Buffalo Daughter)

「シムーン」とはアラビア砂漠などで砂嵐を起こす熱風のことだが、YMOの原曲よりもだいぶ優しい風になっている印象。いつまで経っても大野由美子って声可愛いよね。

灰色の段階(サーストン・ムーア)

ソニック・ユースのメンバーだったサーストン・ムーアによるカバー。かなりオルタナティヴ・ロック。

夏なんです (Instrumental)(山弦)

佐橋佳幸と小倉博和によるギターデュオ、山弦がはっぴいえんどの名曲をカバー。GONTITI感がすごい。

銀色のハーモニカ(坂本美雨、蓮実重臣)

安田成美は『風の谷のナウシカ』だけじゃないよ、隠れた名曲『銀色のハーモニカ』もあるんだよ。ってことで、「坂本美雨+蓮実重臣」すなわち「坂本龍一の娘&蓮實重彦の息子」というアカデミックすぎる二世同士のタッグによってカバー。一聴しただけではメロディーラインが分からないトリッキーな旋律がスゴい(特にサビのアタマは、かなりぶっ飛んでいる)。蓮実重臣の提案でこのマニアックな曲が選ばれたのことですが、このカバーでやっとメロディーがアタマに入ってきた気がします。ありがとうございます。

安田成美 コレクション
安田成美

風をあつめて(Micabox、高遠彩子)

神楽の研究家としても知られる三上敏視のプロジェクトMicaboxと、ヴォーカリスト高遠彩子による異色のコラボ。

ノルマンディア(fennesz+sakamoto)

グリッジノイズの桃源郷。きらめくアンビエンス。クリスチャン・フェネスと坂本龍一だからこうなります。

はらいそ(アン・サリー、PAN CAKE)

日本を代表するスティールパン奏者の原田芳弘率いるアコースティック・トリオ、PAN CAKE。たおやかなギターの調べ、トロピカルなスティールパンの響き、そして温かなアコーディオンの旋律にのせて、アン・サリーの歌声が優しく鼓膜を揺らす。気持ちええー。

プリオシーヌ(シャイ・モンゴロイド)

通称「奉納バンド」とも呼ばれる謎の演奏集団、シャイ・モンゴロイド。ガムランや締太鼓、三味線といった楽器で奏でられる和洋折衷サウンドに、敬虔な気持ちすら抱いてしまう。

DATA
  • アーティスト/Various Artists
  • 発売年/2008年
  • レーベル/commmons
PLAY LIST

【Disk1】

  1. 風の谷のナウシカ (Instrumental)(小平市立上宿小学校 音楽委員会、音楽クラブ)
  2. 東京ラッシュ(セニョール・ココナッツ)
  3. ろっかばいまいべいびい(ハース・マルティネス、ヴァン・ダイク・パークス)
  4. ファム・ファタール(大貫妙子)
  5. 四面道歌(キセル)
  6. AIWOIWAIAOU(ドクター・ジョン)
  7. 福は内鬼は外(鈴木茂、青山陽一)
  8. チャウ・チャウ・ドッグ(林立夫、ハミングキッチン)
  9. Pom Pom 蒸気(シーナ & ザ・ロケッツ)
  10. 東京シャイネス・ボーイ(鈴木慶一)
  11. インソムニア(HANNO+FUMIYA+AOKI)

【Disk2】

  1. ルーチュー・ガンボ(久保田麻琴)
  2. 幸せハッピー(Double Famous、二階堂和美)
  3. ガラスの林檎(吉田美奈子、河合代介 DUO)
  4. シムーン(Buffalo Daughter)
  5. 灰色の段階(サーストン・ムーア)
  6. 夏なんです (Instrumental)(山弦)
  7. 銀色のハーモニカ(坂本美雨、蓮実重臣)
  8. 風をあつめて(Micabox、高遠彩子)
  9. ノルマンディア(fennesz+sakamoto)
  10. はらいそ(アン・サリー、PAN CAKE)
  11. プリオシーヌ(シャイ・モンゴロイド)