TOUCH/土岐麻子

TOUCH

渋谷系もジャズもシティ・ポップもコンパイルした、土岐麻子・入門編

ミュージック・シーンにおける土岐麻子の立ち位置は、’08年後半あたりから大きく様変わりした。

NISSAN「TEANA」CMソングに『Waltz For Debby』が起用されたり、 ゆめタウン広島CMソングに『BIRTHDAY CAKE』が起用されたり、ユニクロ「メリノウール」CMソングに『How Beautiful』が起用されたり(おまけに本人までもが出演!)、怒濤のタイアップで知名度はうなぎ上り。

くるりの20枚目のシングル『さよならリグレット」にゲストコーラスとして参加するなど、ミュージシャンたちのミューズとしても絶賛活動中。要は彼女、いまノリにノっているんである。

岸田繁、さかいゆう、松本良喜、堀込泰行といった豪華メンツを迎えて、満を持してリリースした彼女の3rdアルバム『TOUCH』は、「っていうかCymbalsってナニ?」という、かつての彼女を知らないヤングジェネレーションのリスナーをもとりこんだ、「土岐麻子・入門編」というべき内容。

M-1『Superstar』に代表される渋谷系な土岐麻子、M-3『Waltz For Debby』に代表されるジャジィな土岐麻子、M-7『milin’』に代表される70年代シティポップな土岐麻子。もう「彼女の守備範囲を全部コンパイルしました」って感じである。

まあビル・エヴァンスの名曲『Waltz For Debby』をカバーしちゃうというラディカルな試みもスゴイが、それを易々と歌えてしまう彼女もスゴイと思う。

ヴォーカル・ナンバーを想定して作られた曲じゃない訳だし、音符の上り下がりも激しいし、これ歌うの相当難しいですよ。しかしながらパステルカラーのたおやかさをもった歌声で、まるで既成曲のごとく軽やかに自分のモノにしてしまっている。

このアルバムを製作するにあたって、彼女は「まだ見ぬリスナー=お茶の間に届けたい」という気持ちをもってレコーディングに臨んだそうである。もってまわったような言い回しではなく、よりストレートに響く直接的なリリックに変化しているのも、その表れか。

急速にポピュラリティーを獲得したアーティストとしての自信が付加されて、土岐麻子の音楽世界はより豊かさと深みを増した感がある。

DATA
  • アーティスト/土岐麻子
  • 発売年/2009年
  • レーベル/エイベックス・エンタテインメント
PLAY LIST
  1. SUPERSTAR
  2. How Beautiful
  3. Waltz for Debby
  4. FOOLS FALL IN LOVE sings with 堀込泰行
  5. ホロスコープ
  6. BIRTHDAY CAKE
  7. smilin’
  8. ブルー・バード with air plants
  9. Let the sunlight in
  10. ふたりのゆくえ

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