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2025/9/29

『コーヒー&シガレッツ』(2003)の考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました

『コーヒー&シガレッツ』カフェインとニコチンの文化学」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。

カフェインとニコチン。この二つは、20世紀の都市文化を象徴する嗜好品だった。

コーヒーは、ヨーロッパのカフェに思想家や作家を呼び寄せ、議論や創作を生み出すための“触媒”。パリでもっとも古く、知識人の社交場として名高いサン=ジェルマン=デ=プレに、サルトルやボーヴォワールが腰を下ろす姿を思い浮かべればわかるだろう。テーブルに置かれたカップそのものが、思想、会話、芸術の誕生を連想させるアイコンとなったのだ。

一方でタバコは、アメリカのジャズクラブやフィルム・ノワールを連想させる。紫煙に包まれたサックス奏者、煙草をくわえた探偵やギャングスター。そこには退廃、孤独、都会の夜といったイメージが凝縮され、吸う仕草そのものがクールを演出する。コーヒーが理性の象徴なら、タバコは虚無の象徴。相反するものを同じテーブルに並べることで、知と孤独、対話と退廃が奇妙に同居する文化的風景が生まれた。

この都市文化のエッセンスをそのまま映画にしてしまったのが、ジム・ジャームッシュの『コーヒー&シガレッツ』(03)だ。モノクロの画面に並ぶカップと灰皿、漂う煙と会話。11本の短編から成るエピソードでは、俳優やミュージシャンたちがコーヒーとタバコを前にさまざまなやり取りを繰り広げる。

ぜひご一読ください!

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