goo映画の解説を読むと、「悪霊祓いの詐欺師が残虐な死神と対決する姿をSFXを駆使して描いたホラー・コメディ」とあるんだが、…これって笑えるか?
製作総指揮が『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のロバート・ゼメキスだし、主演がマイケル・J・フォックスだし、前半の展開はほとんど『ゴーストバスターズ』+『ゴースト ニューヨークの幻』 だし…と思って油断していると確実に後半エライ目にあう。
まあ確かにマイケル・J・フォックスがゴーストたちと和やかに交流するシーンあたり、ディズニー映画的ユーモアに包まれていて思わず気が緩んでしまうが、実質的にはR指定のレーティングを回避するための詐欺行為と断定して良ろしかろう。
ビジュアルワークはお子様映画向けに甘めに設定されてはいるものの、はっきりいってコレ血なまぐさい猟奇殺人事件を幽霊話にリプレースしたトンデモ映画。パトリシアのお母さんが惨殺されているシーンなんぞ、陰惨極まりなし。いたいけなガキが観たら絶対うなされます。
かつてB級スプラッタ・ホラー映画『ブレインデッド』でバッド・テイストを全開させたニュージーランドの鬼才ピーター・ジャクソンは、ハリウッド進出第一弾である『さまよう魂たち』においても、その猟奇性を存分に発揮しちゃっている。
死とか狂気といったモチーフを、コメディーというオブラートで包み込んで隠蔽せんとする行為は、もはやそれ自体が“バッド・テイスト”。何せターゲットは子供なのだから!
『死霊のしたたり』で主人公Dを演じたジェフリー・コムズが、頭のトチ狂ったFBI捜査員を怪演しているのも楽しいが、個人的に嬉しかったのが、『フルメタル・ジャケット』(1987年)で鬼軍曹を演じたリー・アーメイが、ほとんどそのまんまの役で出演していたこと。マシンガンを雨あられと撃ち込んでいた、あのヒトです。
やっぱヴィンセント・ドノフリオに銃殺されたその後、という設定なのかいな。
- 原題/The Frighteners
- 製作年/1996年
- 製作国/ニュージーランド、アメリカ
- 上映時間/110分
- 監督/ピーター・ジャクソン
- 製作/ジェイミー・セルカーク、ピーター・ジャクソン
- 製作総指揮/ロバート・ゼメキス
- 音楽/ダニー・エルフマン
- 脚本/フラン・ウォルシュ、ピーター・ジャクソン
- 撮影/アラン・ボリンガー、ジョン・ボリック
- 特殊メイク/リック・ベイカー
- 編集/ジェイミー・セルカーク
- マイケル・J・フォックス
- トリニ・アルバラード
- ピーター・ドブソン
- ジョン・アスティン
- ジェフリー・コムズ
- ジェイク・ビジー
- ディー・ウォレス
- リー・アーメイ R.
- シャイ・マクブライド
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