ハリウッドには、ある伝説的な逸話がある。
ある17歳の映画好きな少年が、ユニバーサル・スタジオの見学ツアーに参加。彼は好奇心のあまり、休憩中トイレに隠れてツアーバスが去るのを待ち、一人悠々とスタジオ見学。やがて関係者に見つかり怒られると思いきや、その突飛な行動を面白がってくれて通行証を発行してもらう。少年はスタッフのように出入りしているうちに人脈を築き上げ、しまいにはスタジオに顔パスで入れるようになった、というのだ!
その少年の名前は、スティーヴン・スピルバーグという。
この話が本当かどうかは定かではない。しかし、この茶目っ気のあるエピソードは、レオナルド・ディカプリオが天才詐欺師を演じた『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』をどこか思わせる。
さらにスピルバーグは、ユニバーサルの空き部屋を勝手に自分のオフィスにして居候を始め、人脈をさらに広げることに成功。資金を調達して『アンブリン』という26分間の短編映画を製作し(彼が1982年に設立した映画製作会社アンブリン・エンターテインメント社は、この作品名が由来となっている)、その演出手腕が認められてユニバーサルと7年間の契約を締結!
完全なる“よそ者“が見知らぬ場所に突如現れ、次第にコミュニティを形成していくというストーリーは、トム・ハンクス演じる外国人がジョン・F・ケネディ空港に取り残されて、少しづつ仲間を増やしていく『ターミナル』を彷彿とさせる。
映画のようなサクセス・ストーリーを実現させ、ハリウッドの頂点に登り詰めた男、スティーヴン・スピルバーグ。【フィルムメーカー列伝 第十二回】は、今なお映画界の最前線で活躍する“キング・オブ・ハリウッド”について考察していきましょう。
ぜひご一読ください!
- 激突!(1972年/アメリカ)
- ジョーズ(1975年/アメリカ)
- 未知との遭遇(1977年/アメリカ)
- レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981年/アメリカ)
- E.T.(1982年/アメリカ)
- インディ・ジョーンズ/最後の聖戦(1989年/アメリカ)
- オールウェイズ(1989年/アメリカ)
- ジュラシック・パーク(1993年/アメリカ)
- シンドラーのリスト(1993年/アメリカ)
- ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク(1997年/アメリカ)
- アミスタッド(1998年/アメリカ)
- プライベート・ライアン(1998年/アメリカ)
- A.I(2001年/アメリカ)
- マイノリティ・リポート(2002年/アメリカ)
- キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年/アメリカ)
- ターミナル(2004年/アメリカ)
- 宇宙戦争(2005年/アメリカ)
- ミュンヘン(2005年/アメリカ)
- インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(2008年/アメリカ)
- タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密(2011年/アメリカ)
- 戦火の馬(2011年/アメリカ)
- リンカーン(2012年/アメリカ)
- レディ・プレイヤー1(2018年/アメリカ)
- ウエスト・サイド・ストーリー(2021年/アメリカ)
- フェイブルマンズ(2022年/アメリカ)
