2023年 アルバムランキング

竹島ルイの独断と偏見による2023年 アルバムランキングです。ランキングは常に暫定的なので、明日にも変わるかもしれません。悪しからず。

#The Best Albums of 2023
#ATOY2023

  1. 『Some Unused Songs』Louis Cole
  2. 未発表音源とデモ音源を11曲収録したアウトテイク集。アイディアの豊富さ、音像の豊かさ、そして何よりも音楽としての美しさ。頭から尻尾までルイス・コールの天才性が爆発。黙ってひれ伏するしかない。

  3. 『In the End It Always Does』The Japanese House
  4. 電子音と生楽器の幸せな邂逅。完全無欠のグッド・フィール・ミュージック。

  5. 『the record』boygenius
  6. M-1『Without You Without Them』のアカペラから、ヘビーチューンのM-2『$20』へとなだれ込む展開がまず凄まじい。フィービー・ブリジャーズらしいダイナミックな展開が感動的な『Emily I’m Sorry』、ちょっとサイモン&ガーファンクルっぽいカントリーフォーク『Cool About It』、ラストを飾るサッドコア・ナンバー『Letter To An Old Poet』まで、隅々まで才気が漲ってる。つまり、想像通りの大傑作ってことです。

  7. 『My Soft Machine』Arlo Parks
  8. 清涼感あふれるシンセ・ビート、彼女の真っ直ぐでオーガニックなヴォーカル。特に本人も好きだと公言しているM-9「Puppy」の、とろめくようなサウンドスケープが気持ち良すぎる。年間ベスト級。

  9. 『Gold』Cleo Sol
  10. 3rdアルバム『Heaven』リリースした2週間後に4thアルバム発売って、どんだけ!おそらく同時期に制作された双子的作品なんだろうけど、ファンにとってこれほどの僥倖がありましょうか。今作も慎ましくオーガニックなネオ・ソウルが最高。

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  11. 『Toda Una Alegria』Adriano Galante
  12. ダウンテンポなトリップ感覚が気持ちいい、ラテン・ミュージック+エレクトロ・ポップのハイブリッド。

  13. 『ANIMALS』Kassa Overall
  14. 自らの音楽を”バックパック・ジャズ “と称するジャズドラマー、カッサ・オーバーオール。この3rdアルバムはワープに移籍したことも影響しているのか、エレクトロR&Bのエッセンスが濃くなった印象。あとジャケの顔力がつええ。

  15. 『Lahai』Sampha
  16. デビュー・アルバム『Process』から6年、ようやく届いたサンファの2nd。清涼感のある音像で、水のようにするすると聴けてしまうが、じっくり耳を傾けると複雑なドラムパターン、幾十にも折り重なったハーモニーにハッとさせられる。最高以外の言葉が見つからない最高の一枚。

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  17. 『Voice Notes』Yazmin Lacey
  18. イーストロンドン出身のシンガー・ソングライター、ヤスミン・レイシーのデビュー・アルバム。これが透明感あふれるジャジーなネオ・ソウルで、ソランジュにも似たなめらかなサウンド・プロダクション。キックが意外と強めで、それがアクセントになってる。やばい、好きなやつ。

  19. 『Knower Forever』Knower
  20. ルイス・コールとジェネヴィーヴ・アルターディによるポップ・ユニット、Knowerの5thアルバム。アナログシンセとホーン・セクションが絶妙に絡み合うこのファンクネスは、余人をもって代えがたい。オーケストラによる堂々たるオーバーチュア「Knower Forever」から、ピコピコファンクなM-2「I’m The President」になだれこむ展開がタマらない。

  21. 『In Parallel』Salamanda
  22. 韓国のアンビエント・デュオ、サラマンダの3rd。ちょっと毒っ気のあるポップネス、そして浮遊感のあるアンビエンス。コレは沼る。

  23. 『Gentle Confrontation』Loraine James
  24. 無理やりカテゴライズすればエレクトロニックR&Bというジャンルに収まるのだろうけど、ロレイン・ジェイムスは複雑に絡まり合うポリリズミックなビートを乗せることで、前衛的なIDMにも近接した音楽を産み出した。Prefuse73にも通じるサンプリング/コラージュ感覚が気持ちいい。

  25. 『Let the Moon Be a Planet(feat. Bing & Ruth)』Steve Gunn、David Moore
  26. スティーヴ・ガンとデヴィッド・ムーアによるコラボ・アルバム。リモート・セッションを重ねた結果、最高にインディーなインスト・アルバムが完成した。

  27. 『Prize』Rozi Plain
  28. ロンドン在住のシンガーソングライター、ロジ・プレイン5枚目のアルバム。親密さと温かさに包まれた、音のタペストリー。

  29. 『DRIVING』Sam Wilkes
  30. サム・ウィルクスが気心知れた仲間と創り上げた、インディー・ロック・アルバム。

  31. 『Everyone’s Crushed』Water From Your Eyes
  32. レイチェル・ブラウンとネイト・エイモスによるプロジェクト、ウォーター・フロム・ユア・アイズ。アンダーグラウンドなシーンで密やかな実験を続けてきた彼女たちが、マタドール・レコードと契約を交わして放つ怪物的ポップソング集。中毒性↑な変態プロダクションにココロが騒ぐ。

  33. 『Oh Me Oh My』Lonnie Holley
  34. 御年73歳ロニー・ホーリーが放つ、鬼名盤。ファラオ・サンダースっぽいアフロ系フリー・ジャズの匂いを残しつつ、ボン・イヴェールやシャロン・ヴァン・エッテンらをゲストに招いて、カントリー、フォーク、ゴスペルにまで乱反射。気持ちええ。

  35. 『Look At Me Now』Lorenz Ambeek
  36. え、これデビュー盤ってホントすか。EELSのようなしゃがれ声インディー・ロックで、めっちゃ大御所感が出てますやん。これ、WilcoとかYo La Tengoが好きなオルタナ・ファンなら、間違いなく好きになるやつ。

  37. 『Soaring Wayne Phoenix Story the Earth and Sky』Wayne Phoenix
  38. Wayne Phoenixが2020年に発表したアルバム『Soaring Wayne Phoenix Story the Earth』に、トラックを6曲追加した拡張版。Prefuse 73よりもマイルドなコラージュ感覚、Mica Leviよりも儚いメランコリア、そして何よりもクリスタルのような煌めきがある。

  39. 『The Omnichord Real Book』Meshell Ndegeocello
  40. “孤高のアーティスト”ミシェル・ンデゲオチェロの、ブルーノート移籍後初リリースアルバム。ジョエル・ロスやジェフ・パーカーといった手練れミュージシャンを招聘して、ジャズ、ソウル、エレクトロニカが交差する軽やかな作品に仕上がってる。本人が手がけたというアートワークも良き。

  41. 『Visitors』Friday Night Plans
  42. 脳がとろけるくらいに素晴らしい、Friday Night Plansのデビューアルバム。実験音楽バリバリのPan Sonicが好きだとか、ペダル、リヴァーブを使うのが多くなってきたとか、映画の環境音に惹かれるとか、インタビュー読んで彼らの音楽性に納得。

  43. 『Romantic Piano』Gia Margaret
  44. イリノイ州シカゴ出身のシンガーソングライター、ギア・マーガレットの3rdアルバム。『Romantic Piano』というド直球なタイトルの本作は、アメリカ各地でフィールドレコーディングした鳥や虫の声などの自然音をバックに、静かに孤独をかみしめるような静謐なピアノが鳴り響く、フォーキー・アンビエントな一作。

  45. 『That’s Life』EVISBEATS
  46. まぁ、それもまた人生さ。そんなケ・セラ・セラでチルな音の断片を拾い集めた、人生のサントラ集。

  47. 『For That Beautiful Feeling』Chemical Brothers
  48. いつの時代にあっても、ケミブラは圧倒的なまでにケミブラのままだ。デジタル・ロックは死なず。30年前、世界に衝撃を与えたビッグ・ビートは、筆者のハートを未だに震わせ続けている。

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  49. 『Atlas』Laurel Halo
  50. 協和音と不協和音の狭間をたゆたう、幽玄のアンビエント。武満徹がドローンに挑戦したら、こんなサウンドになるのでは?と思わず妄想に耽ってしまう、アブストラクトな電子組曲。

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  51. 『Njaboot』Julia Sarr
  52. セネガル出身の女性SSW、ジュリア・サールの3rdアルバム。ワールドミュージックをネオソウルの圏内へ引き寄せて、洗練を極めている。

  53. 『Sundial』Noname
  54. ラストナンバーの客演にCommonがいてアセった。ヒップホップど真ん中というよりは、ネオソウル寄りのリラックスしたサウンドはやっぱり気持ちいい。特にbilly woodsも参加しているM10『gospel?』は神曲かと。

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  55. 『Further Out Than The Edge』Speakers Corner Quartet
  56. サウス・ロンドンを拠点とするスピーカーズ・コーナー・カルテットが、2006年の結成以来、17年目にしてリリースした待望のデビュー・アルバム。魅惑のサイケデリア。ジャズ、ソウル、ヒップホップという文脈にとどまらず、スポークン・ワードの領域にまで拡張させた意欲作。

  57. 『Natural Wonder Beauty Concept』Natural Wonder Beauty Concept
  58. Ana RoxanneとDJ Pythonによるプロジェクト、Natural Wonder Beauty Conceptのデビュー・アルバム。90年代にMassive AttackやPortishead、Trickyが鳴らしてきたダウンテンポは、2023年でも十分に有効であることを知らしめた一作。

  59. 『12』坂本龍一
  60. 美しいとか、哀しいとか、楽しいとか、優しいとか、冷たいとか、温かいとか、あらゆるエモーションを排して、ただ伽藍と、剥き出しの音が精緻に並べられているような一枚。

  61. 『Past Lives』Christopher Bear、Daniel Rossen
  62. クリストファー・ベアって誰やねんって思ってたら、グリズリー・ベアのドラマーの彼だったのですね。電子音のざわめきの向こうに佇むリリシズムが素晴らしい。

  63. 『Lados B』Daniel Villarreal、Jeff Parker、Anna Butterss
  64. ドラマーのダニエル・ビジャレアル、ギタリストのジェフ・パーカー、ベーシストのアンナ・バタースが、わずか2日間のレコーディングで完成させたアルバム『Panama 77』2022年)の未発表テイクをコンパイル。即興から生まれるグルーヴ感にシビれまくり。

  65. 『I’m Green』Mali Velasquez
  66. ボーイジーニアスのジュリアン・ベイカー&フィービー・ブリジャーズ&ルーシー・ダカス。ビッグ・シーフのエイドリアン・レンカー。ナッシュヴィルを拠点に活動するマリ・ヴェラスケスもまた、インディー・ロックという孤高のフィールドで歌を歌うフィメール・シンガーの系譜に連なるものの、静謐なフォーク・ソングにとどまらず、壮大なシンフォニーへと拡張させていく手つきに、スターの資質を感じてしまう。

  67. 『12 hugs (like butterflies)』羊文学
  68. 羊文学のニューアルバム、またしても傑作すぎて尊い。『more than words』と『GO!!!』を何度リピートしたことやら。

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  69. 『One Wayne G』Mac DeMarco
  70. 「Daisy Holiday」で水原希子が細野さんにレコメンドしていたので聴いてみたのだが、これ素晴らしいですね。全199曲、8時間44分という狂ったボリューム。とはいえ重厚な感じはいっさいなくて、日々の生活をスケッチとして素描したかのような、素朴さと愛らしさがある。

  71. 『When we were that what wept for the sea』Colin Stetson
  72. サクソフォン奏者コリン・ステットソンによる、現代音楽やドローンのエッセンスを盛り込んだアブストラクトな音楽絵巻。ドラッギーな万華鏡。

  73. 『Get Up』NewJeans
  74. 今や世界的アーティストとなったNewJeansの2ndEP。ほとんどが2分台というショート・チューンが、全6曲。トータルは12分16秒というコンパクトさ。そこに、スペーシーでファンクな小宇宙が広がっている。個人的ベストトラックは、ラストを飾るM6「ASAP」。四つ打ちのリズムが彼女たちの「tik-tok、tik-tok、tik-tok、tik、tik」というボーカルチョップに置換され、キラキラしたシンセがこの上ない多幸感を招き寄せる。

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  75. 『End Of The Day (music from the film Anonymous Club)』Courtney Barnett
  76. コートニー・バーネットのワールドツアーを追ったドキュメンタリー映画のサントラ。全編インストゥルメンタルの、エモいサウンドスケープが広がっている。

  77. 『Poor Things』Jerskin Fendrix
  78. アカデミー作曲賞はルドウィグ・ゴランソンの『オッペンハイマー』に譲っても、俺的作曲賞は断然こっちです。

  79. 『Enigmatic Society』Dinner Party
  80. ロバート・グラスパー、テラス・マーティン、ナインス・ワンダー、カマシ・ワシントンらが集結したスーパーユニット、ディナー・パーティーの2nd。相変わらずシルキーなサウンド・プロダクションに惚れ惚れ。

  81. 『夢中夢』Cornelius
  82. 前作『Mellow Waves』は音の隙間に不思議な波がたゆたう中毒性の高いアルバムだったが、今作もそのエッセンスは残しつつ『FANTASMA』など初期作のロック・テイストにも少し回帰した印象。

  83. 『Soft Rock』Thy Slaughter(A. G. Cook、EASYFUN)
  84. A.G. CookとEASYFUN(フィン・キーン)によるユニットThy Slaughterのデビュー・アルバム。ハードなギター・ロックを奏でたかと思えばチルなEDMも繰り出す、バリエーションが半端ない作品。

  85. 『Heaven』Cleo Sol
  86. Cleo Solのニューアルバム『Heaven』が、本当に天国レベルのグッドミュージックだったことを、謹んでここに報告いたします。

  87. 『Undercurrent』細野晴臣
  88. 『アンダーカレント』のサントラではなく、あくまで“映画に添えたイメージを再構築した音源作品”とのこと。穏やかに配置された音響の向こうに、ほのかな死の匂いがする。

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  89. 『Playing Robots Into Heaven』James Blake
  90. 内省的で閉鎖的なリリシズムからの解放。名だたるアーティストとのコラボレーションを経て、ジェイムス・ブレイクは新たなサウンドスケープを獲得したのかもしれない。文字通りこのアルバムが奏でる音は、ヘヴンへと繋がっている。

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  91. 『Paper Airplanes, Paper Hearts』Everyone Asked About You
  92. 90年代を稲妻のように駆け抜けた伝説の4ピースバンド、Everyone Asked About You。彼らが唯一発表したスタジオ・アルバム『Let’s Be Enemies』に、シングルやEPを加えたコンピレーション作品。感情どこ行ってしまったん?と思わずツッコミたくなるぶっきらぼうな女性ヴォーカルに、ハードコアな轟音が絡みつく。このエモさは尋常じゃない。

  93. 『Horizon』Scott Orr
  94. カナダのフォークシンガー、スコット・オー。フォークトロニカ系の柔らかなサウンドに乗せて、ささやくようなスムース・ジャズのヴォーカルが広がっていく。

  95. 『the rest』Boygenius
  96. 今年アルバム『the record』を出したばかりなのに、サプライズ的にリリースされたEP。『the record』よりも、3人のコーラスワーク中心に組み立てられたフォーク・ロック。70年代SSWへの明確な接近。ジャケットみたいに、日が沈む海を見ながらこの音に浸っていたい。

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  97. 『Girl In The Half Pearl』Liv.e
  98. 混沌と喧騒。90年代ヒップホップの音像で疾走する、メンフィス・ラップ。リヴ姐さん、カッコイイっす。

  99. 『It’s Ok, B U』Kiefer
  100. 混沌と喧騒。90年代ヒップホップの音像で疾走する、メンフィス・ラップ。リヴ姐さん、カッコイイっす。

  101. 『UNI』脇田もなり
  102. Dorianのキラキラしたサウンドスケープが絶好調。

  103. 『HYbr:ID II』Alva Noto
  104. 「HYbr:ID」シリーズの第二弾。“ミンコフスキーの4次元時空理論に基づく概念である共鳴と弾性からインスピレーションを得た”と書いてあるんだけど、なんことやらさっぱり分からん。

  105. 『いま』原田郁子
  106. コロナ禍で宅録をベースに作られた、原田郁子名義としては15年ぶりとなるソロ・アルバム。ポエトリーリーディングあり、インストあり、谷川俊太郎との共作あり、ミニマルミュージックぽい曲もあり、バラエティーに富んだ全8曲。すぐそこで演奏されているかのような、リスナーとプレイヤーの距離感を大切にしたであろうエンジニア・奥田泰次の仕事も素晴らしい。

  107. 『Stereo Mind Game』Daughter
  108. 絶望と諦観の向こう側に一筋の光がみえる、美しすぎるサッド・コア。オーケストラの音色が、黒い魂を溶かしていく。

  109. 『Jelly Road』Blake Mills
  110. ブレイク・ミルズが、ヴァーモント州のSSWクリス・ワイズマンとコラボ。フォーキーな味わいのなかにも、音響的な処理がそこかしこに施された、エクスペリメンタルな一枚。

  111. 『I Killed Your Dog』L’Rain
  112. タイトルからして不穏だが、あらゆるテクスチャーが重層的に折り重なったサウンドは不穏を通り越して奇天烈。L’Rainの才気がいよいよ爆発した、ガレージ・コラージュ集。

  113. 『I Digress…』Kelly Moonstone
  114. 1小節聞いただけで、嗚呼快楽。飾り気のないサウンド・プロダクションに、ケリー・ムーンストーンの人柄が感じられる。

  115. 『New Blue Sun』André 3000
  116. アウトキャストのアンドレ・3000が、活動休止から10年目にして初めてソロ名義でアルバムをリリース。カルロス・ニーニョとの共同でプロデュースで作り上げた、まさかのオール・インストルメンタル。ヒップホップとニュー・エイジ・ミュージックの融合。

  117. 『LXXXVIII』Actress
  118. ダレン・カニンガムによるソロ・プロジェクト、アクトレス。今回のアルバムのモチーフになっているのは、黎明期のオンライン・チェス。サンファやジェームズ・ブレイクとの邂逅を経て、彼の現在地を示すレイヴ・トラックが詰まっている。

  119. 『Liberation 2』Talib Kweli、Madlib
  120. 2007年にリリースしたタリブ・クウェリとマッドリブのコラボアルバム『Liberation』の続編。ドープなサンプリング・サウンドが耳を喜ばしまくり。M-10「The Right To Love Us」では故マック・ミラーも登場。

  121. 『Halo』Bakar
  122. ルイ・ヴィトンのモデルにも抜擢されてノリノリな、ノース・ロンドンのSSWバカールの2nd。モータウンビートもウェストコーストも取り込んで、自由な風を送り込んでいる。ハードすぎないギターカッティングが良いアクセント。

  123. 『So Gold』Blu、Shafiq Husayn
  124. L.A.のアンダーグラウンド・ヒップホップ・シーンを牽引してきたブルーとシャフィーク・フセインのコラボ・アルバム。ウェイウェイしながら、ローラースケートでL.A.のワインディング・ロードを駆け抜けたくなる。

  125. 『LIGHTHOUSE』星野源
  126. 今日も俺は『仲間はずれ』を聴いて今日を生き抜く。

  127. 『Again』Oneohtrix Point Never
  128. ジム・オルークやシュ・シュを招聘し、オーケストラを呼び、おまけにAIまで導入して、多層的なレイヤーで編み上げられたエレクトロニック桃源郷が完成。あと100回は鬼リピしないと全体像が掴みきれない、ギガティックな怪作。

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  129. 『On The Inside』Gotts Street Park
  130. まさかイギリスのリーズから、ここまで60年代モータウン愛に満ちたバンドが登場してくるとは。とはいえサウンドは、ヴィンテージなレトロ・ソウルではなく甘ーいネオ・ソウル。自然に耳に馴染んでくる。

  131. 『The Land Is Inhospitable and So Are We』Mitski
  132. 合唱隊やオーケストラを大々的にフィーチャーさせて、インディ・ロックから壮大なアメリカーナへと足を踏み入れた意欲作。西部の大地を静かに震わすような、優美なクワイアに圧倒される。

  133. 『DEBUT』Kyrie(アイナ・ジ・エンド)
  134. アイナ・ジ・エンド無双、それ即ち小林武史無双也。令和のYEN TOWN BANDとでも言うべき衝撃。

  135. 『ROMANTIQ』Oval
  136. ハプシコードのようなパキパキした音色がやっぱりOVAL。

  137. 『Black Classical Music』Yussef Dayes
  138. 今やUKジャズのキーパーソンとなったユセフ・デイズ。疾走するアフロビートに乗せて、サウス・ロンドン・ジャズの真髄を見せつける。ジャケは少年時代のユセフ・デイズ本人とのことだが、一瞬U-zhaanかと思った。

  139. 『Leather Blvd.』B. Cool-Aid
  140. B.Cool-Aid、6年ぶりとなる2ndアルバム。ブラックでメタリックなカッコ良さは健在。

  141. 『Drop Cherries』Billie Marten
  142. 鈴木惣一朗氏のレコメンドで知った、1999年イギリス・ヨークシャー生まれの若き才能。シンプルなダウンストロークに、時折不穏なコードを織り込んでから、優しい和音で解放させていく手つきが素晴らしい。

  143. 『I Want More』Donny McCaslin
  144. ジャズ・シーンの最前線で活躍するサックス奏者、ダニー・マッキャスリン。オーセンティックなジャズにとどまらず、ダンス・ミュージックやエレクトロニカにも目配せした、多彩なサウンドが楽しめる。

  145. 『Convergence』Shin Sasakubo、Jamael Dean
  146. ペルーギターの使い手笹久保伸が、LA出身ビートメイカーのジャメル・ディーンとタッグを組んだ意欲作。土着的なサウンドにサンプリング・ビートが緩やかに重なるこの感じ、素朴な味わいでタマらん。

  147. 『My Big Day』Bombay Bicycle Club
  148. ジャケットの覆面おじさんが、よろずライターの堺三保さんにしか見えん。

  149. 『Crépuscule I & II』Tujiko Noriko
  150. 薄明かり(Crépuscule)というタイトルが冠された、2枚組大作。マジックアワーのなかで光が柔らかく大地に溶け込んでいくような、シネマティック・サウンドスケープ。

  151. 『Safe Ground』Sandrayati
  152. ジャワ島とバリ島で育ったというシンガーソングライター、サンドラヤティのデビュー・アルバム。トラディショナル・フォークのように、大自然に溶け込んだ静かな調べが空間を満たしていく。

  153. 『Secret Life』red again..、Brian Eno
  154. 音が水滴のように滴り落ちてきてゆっくりと波紋状に広がっていくような、美しいアルバム。アンビエントというよりもザ・ナショナルにも近接したインディーロックな響きで、そこがまた良き。

  155. 『blómi』Susanne Sundfør
  156. ノルウェーの歌姫スザンヌ・サンドフォーの6thアルバム。北欧系エレクトロニカの香りを残しつつ、ジョニ・ミッチェルのようなフォーク・シンガーソングライターとしてのルーツに立ち返ったサウンドがコンパイルされている。

  157. 『Sundown』Eddie Chacon
  158. 90年代にチャールズ&エディとして一世を風靡し、59歳にしてソロ・デビューを果たしたエディ・チャコン。めちゃめちゃかっこいいアーバン・ソウル。生楽器をまぶしてヴィンテージ感溢れるジャズ・ファンクなサウンドに。オトナの余裕を感じさせる。

  159. 『Girl with Fish』feeble little horse
  160. キャッチーなメロディー・ラインと獰猛なノイズ・ギターが至極のポップネスへと昇華した、ピッツバーグ出身の4人組フィーブル・リトル・ホースの2ndアルバム。可愛げのあるシューゲイザー。

  161. 『Did you know that there’s a tunnel under Ocean Blvd』Lana Del Rey
  162. ジョン・バティステ、ブリーチャーズ、ファーザー・ジョン・ミスティらをゲストに招聘。ラナ・デル・レイと共にプロデュースを手がける、メランコリックなサッド・スコアを紡ぐジャック・アントノフの仕事が素晴らしい。

  163. 『Cousin』Wilco
  164. プロデューサーにウェールズ出身のシンガー・ソングライター、ケイト・ル・ボンを招聘。カントリーに回帰している印象のあったウィルコのサウンドを、一気にエクスペリメンタルな音像に変えてみせた。

  165. 『Water Made Us』Jamila Woods
  166. シカゴ出身のアーティストを数多くゲストに迎えた、ジャミラ・ウッズの4thアルバム。秋空のもと聴きたい、至極のアンビエントR&B。M-10『I Miss All My Exes』にはギア・マーガレットも参加してます。

  167. 『Gardening』Siv Jakobsen
  168. シフ・ヤコブセンが爪弾くギターと歌声は、世界を清浄の地へと変貌させる。ノルウェーから届けられた、幽玄なアンビエント・フォーク。

  169. 『I’ve Got Me』Joanna Sternberg
  170. ジョアンナ・スタンバーグの歌は、あまりにも無垢で直球すぎるがゆえに、ラディカルな強さを勝ち得ている。時代錯誤なフォークソング。ダニエル・ジョンストンを彷彿とさせる佇まい。今日も彼女は世界の片隅で、ゴツゴツとした音楽を無骨なアレンジで歌う。

  171. 『Glossover』Afternoon Bike Ride
  172. ステレオラブよりも瑞々しく、コクトー・ツインズよりも幻想的。モントリオールを拠点に活動するアフタヌーン・バイク・ライドから届けられた、昼下がりの公園で寝転びながら聴いていたい至極のドリームポップ。

  173. 『An Ever Changing View』Matthew Halsall
  174. 現代のファラオ・サンダース。もしくは、南国のアリス・コルトレーン。UKモダンジャズの旗手マシュー・ハルソールによる、自由で開放的なスピリチュアル・ジャズ。カリンバやフルートの音色が風景を極彩色に変えていく。はらいそは、ここにある。

  175. 『TOUCH』Tei Towa
  176. M-2「EAR CANDY(feat.原田郁子、高木完)」の、「遺憾無くすったらカン 高木完」というリリックが秀逸すぎる。

  177. 『When the Poems Do What They Do』aja monet
  178. 黒人の抵抗、愛、そして喜びへの尽きせぬ探求。ブルックリンの詩人アジャ・モネが、USジャズシーンの手練を集めて制作したデビュー・アルバム。彼女のポエトリーリーディングと、アフロアメリカンのルーツ・ミュージックが結合した意欲作。

  179. 『Born With Nostalgic Bones』Julie Kuhl
  180. 『Slugs of Love』Little Dragon
  181. M-1『Amöban』で口笛が鳴り響く瞬間から、リトル・ドラゴンが紡ぐサウンド・スケープに一直線。デーモン・アルバーンやJIDをゲストに招聘した、バンド曰く“最高傑作”。

  182. 『Heaven Knows』PinkPantheress
  183. Y2Kサウンドで紡がれる、愛の煉獄。ピンクパンサレス自ら「ニュー・ノスタルジック」と形容するその音楽は、単なる郷愁ではなく、アコースティック・ギターのアンサンブルや、アトモスフィアなキーボードのサウンドと混じり合うことで、確実に現在進行形の音像に進化している。

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  184. 『THE BOOK3』YOASOBI
  185. 『葬送のフリーレン』のOPテーマ『勇者』、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のOPテーマ『ミスター』、『【推しの子】』のOPテーマ『アイドル』。2023年を代表するアニメを軒並み手がけ、精密なプロダクトとして構築するAyaseの手腕には感嘆するしかなし。ボカロ的エッセンスをキープしつつ、J-POPの歴史を塗り替えてしまったモンスター・アルバム。

  186. 『GUTS』Olivia Rodrigo
  187. 20歳になったばかりなのに、2ndアルバムで音楽的成熟を感じさせてしまうオリヴィア・ロドリゴって、ヤバすぎませんか。これぞ、グローバル・スーパースターのポピュラー・ミュージック。

  188. 『TWO MOON』TOMOO
  189. 「関ジャム 完全燃SHOW プロが選ぶ年間マイベスト10曲」で、いしわたり淳治と蔦谷好位置が絶賛していた才能。

  190. 『Desire, I Want To Turn Into You』Caroline Polachek
  191. 『Rainbow Revisited』Thandi Ntuli、Carlos Nino
  192. 現代ジャズシーンのピアニストとして注目を浴びているタンディ・ントゥリが、カルロス・ニーニョとタッグを組んだミニマルな小品集。時折南アフリカのルーツを窺わせるメロディーがインサートされ、アブストラクトな宇宙が広がっていく。

  193. 『NJWMX』NewJeans
  194. M-3『Attention[250 Remix]』のアッパー感、ヤバすぎまませんか。装い新たなリミックスverを聴くことで、彼女たちのダンス・ミュージックが完全無欠であることに改めて気付かされる。

  195. 『ZOUNDTRACKS』Tei Towa
  196. テイ・トウワ、久々のインスト・アルバム。音のシャキシャキ感が辛抱たまらん。

  197. 『PRIVATE』iri
  198. ジャパニーズ・クラブミュージック・シーンの先頭をひた走る、iriの6枚目となるフルアルバム。日々のスケッチを音に溶かしたような、日常性が逆に新鮮。

  199. 『For All The Dogs』Drake
  200. 21サヴェージ、J・コール、SZA、バッド・バニー、リル・ヨッティなど、ヤバすぎるメンツを揃えて放つ、全23曲・1時間25分の大作。ティーゾ・タッチダウンをフューチャリングしたM-2「Amen」が神曲すぎて、鬼リピしては泣いておる。

  201. 『Barbie The Album』V.A.
  202. ピンク色に塗りたくられた、『Barbie The Album / バービー・ザ・アルバム』という名のショウケース。そこにはキラキラもカナシミも、あらゆるエモーションが詰まっている。

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  203. 『Ralphie Choo』Supernova
  204. Mura Masa、Paris Texasなどを招聘して放つ、Juan Casadoのソロプロジェクト、Ralphie Chooのデビューアルバム。ラテンを基軸にしながらも、ヒップホップやエレクトロニカにも接続した先鋭的な作品。

  205. 『Camellia』RAY
  206. 極北を目指すオルタナティヴアイドル、RAYの3rdアルバム。青木ロビン作詞・作曲のリード・トラック『火曜日の雨』がエモすぎる。

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  207. 『MERCY』John Cale
  208. 前作から実に10年ぶりとなる、ジョン・ケールの17thアルバム。ローレル・ヘイロー、アクトレス、アニマル・コレクティヴ、ワイズ・ブラッド、シルヴァン・エッソ、ファット・ホワイト・ファミリー、テイ・シという曲者ミュージシャンを招聘して、漆黒に覆われたディストピアの、その向こうにある“慈悲なる世界”を構築してみせた。

  209. 『Maps』billy woods、Kenny Segal
  210. ラッパーのビリー・ウッズ、プロデューサーのケニー・シーガルが2度目のコラボを果たした、ドス黒く凶暴なアシッド・ジャズ/ヒップホップ。このアルバムからは、獣臭と血の匂いがする。

  211. 『First Two Pages of Frankenstein』The National
  212. 『The Happiest Times I Ever Ignored』Hayden Pedigo
  213. 夕日が山々をオレンジ色に染めるとき、荒野でただ一人ヘイデン・ペディーゴはフィンガースタイルでギターを奏でる。本人は市議会議員選挙に出馬したり、モデルとしてランウェイを歩いたりするような謎キャラのようだが、少なくともこのアルバムからは誠実さと慎ましやかな強さが感じられる。

  214. 『The Killer』Trent Reznor & Atticus Ross
  215. とことんダークなのに、清冽でエレガントなサウンド・プロダクション。デヴィッド・フィンチャーとタッグを組んだ時だけ、トレント・レズナーとアッティカス・ロスには特別な魔法がかかるようだ。

    The Killer(Soundtrack)/Trent Reznor & Atticus Ross
    created by Rinker
  216. 『replica』Vaundy
  217. あらゆる方向に才能が乱反射しまくっていて、Vaundyを形容する言葉が見つからず、もはや存在が透明化している。王道じゃないポップスは王道に聴こえて、王道なポップスはそうじゃなく聴こえるのも凄い。

  218. 『Ambient 23』Moby
  219. 新年早々にリリースした、モービーのアンビエント・アルバム。今までもチル系エレクトロニカは手がけていたとはいえ、アッパーなデジロックの印象が強いだけに、ここまでディープなアンビエントになってるとは。芳醇なアナログ・シンセの音像は、まるでブライアン・イーノの如し。

  220. 『Spider-Man: Across the Spider-Verse』Metro Boomin
  221. 気がつけば、コーチェラのトリを務めるまでになったメトロ・ブーミン。ケンドリック・ラマーの役割を引き継いだ『スパイダーバース』サントラでも、卓越したビートメイキングが唸りを上げている。エイサップ・ロッキー&RoiseeとコラボしたM-2『Am I Dreaming』が、ネバーエンディング脳内反芻。

  222. 『Blossom』kiki vivi lily
  223. ブラックミュージックのエッセンスは残しつつ、スウィートなポップソングとしての心地よさが耳に嬉しい、5曲入りEP。

  224. 『Everyone’s Children』Surya Botofasina
  225. 『Javelin』Sufjan Stevens
  226. 「君の名前で僕を呼んで」主題歌の『Mystery of Love』の印象が強すぎて、スフィアン・スティーヴンスの声を聞くだけで心が苦しくなってしまうんだが、やっぱこの新作でも青春の蹉跌が胸に迫りくる。M-4『Everything That Rises』Aメロの一部分が『ネバーエンディング・ストーリー』に聴こえるのは僕だけですか。

  227. 『Intergalactic Warp Terminal 222』Lionmilk
  228. レトロ・フューチャーなSF映画をモチーフにした、スペーシーな音楽空間。洗練されたLAビートシーンのリズムと合わさることで、古めかしさは逆に感じられない。所々に感じられるローファイなテクスチャー感覚が、むしろアーシーに響く。

  229. 『Pink Friday2』Nicki Minaj
  230. ドレイク、リル・ウージー・ヴァート、リル・ウェインなど、当代随一のラッパーを迎えた問答無用の大ヒットアルバム。M-1「Are You Gone Already」で、いきなりビリー・アイリッシュの「when the party’s over」をサンプリングしていて驚いた。

  231. 『TAR/ター』ヒドゥル・グドナドッティル
  232. このサントラを聴き続けてると、気が狂いそうになるな。作曲しているのは、múmのメンバーのひとりヒドゥル・グドナドッティルで、「ジョーカー」も手掛けている。つまり両方とも神経症的テーマで、ニューロティック・ホラー。

  233. 『ÁTTA』Sigur Rós
  234. ドラムレスの荘厳なストリングス、暗く沈んだ残響。もはやポストクラシカル。この時代にレインボーを燃やすって、当事者であるヨンシーがLGBT的連帯から距離を置き、一人で戦いを続けるという意思表明か?この音楽はあまりにも孤独だ。

  235. 『FINE LINE』パソコン音楽クラブ
  236. 『ユーミン乾杯!!~松任谷由実50周年記念コラボベストアルバム』松任谷由実
  237. RHYMESTERとコラボしたM-6『SATURDAY NIGHT ZOMBIES』はいつ聴いてもアガるな。

  238. 『Jerusalem』Emahoy Tsege Mariam Gebru
  239. 修道女でピアニストというエマホイ・ツェゲ=マリアム・ゴブルー、全く存じ上げませんでしたが、アルバム聴いてみたら素晴らしかった。クラシカルだけど、サティほど冷たい感じじゃなくて、人肌が感じられる響き。全力でお勧め。

  240. 『eo』cero
  241. 美しいハーモニーとポリリズミックなドラムと浮遊感のある電子音に彩られた、精巧で良質なポップミュージック。なぜか僕の脳内には、遥か彼方の宇宙に向かって幾つもの光線が行き交うような光景が広がった。

  242. 『Blackbox Life Recorder 21f / in a room7 F760』Aphex Twin
  243. この上なく美しいアンビエントも、この上なく凶暴なハードテクノも、Leave it to me!とでも言いたげなエイフェックス・ツインの、やや丸みを帯びた大人の余裕。テクノ・モーツァルトが導く、新たなサイケデリア。ここには、豊穣で深淵な桃源郷がある。

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  244. 『Bubblegum』Biig Piig
  245. アイルランド出身のシンガー、Biig Piigのデビュー・ミックステープ。ダークで毒っ気のあるポップネス、ご機嫌斜めで低血圧なウィスパー・ヴォイス、それでいて喉越し爽やかなサウンド・プロダクション。これ永遠にリピートできるやつ。

  246. 『Let’s Start Here』Lil Yachty
  247. 薄気味悪いシンセサイザーの音を虚ろに響かせて、ヒップホップからオルタナティヴ・ロックへと大きく舵を切ったリル・ヨッティ。これが、ピンク・フロイド『Dark Side of the Moon』を愛好してきたという彼のリスタートなのか。Let’s Start Here=すべてはここから始まる。

  248. 『A Trip To Bolgatanga』African Head Charge
  249. パーカッショニストという名の呪術師、ボンジョ・アイヤビンギ・ノア。UKダブの総帥エイドリアン・シャーウッドと手を組み、12年ぶりに放つアフリカン・ミュージックの新たな鼓動。ちなみにタイトルの“ボルガタンガ”とは、ガーナにある都市の名前なんだとか。

  250. 『The Rebirth of Marvin』October London
  251. 『RABBIT STAR ★』水曜日のカンパネラ
  252. 『Wives Tales & Hymns of the Earth』Porchlight
  253. 情動と扇動!荒ぶるパンク・サウンドが乱れ咲き、甘美なハーモニーが胸を打つ。このバンド、不思議な吸着力がありますな。

  254. 『Nakibembe Embaire Group』Nakibembe Embaire Group
  255. 『ゴジラ-1.0』佐藤直紀
  256. M-12『Godzilla-1.0 Resolution』、ほとんどスティーブ・ライヒのようなミニマル・ミュージック。

  257. 『Praise A Lord Who Chews But Which Does Not Consume; (Or Simply, Hot Between Worlds)』Yves Tumor
  258. 官能と退廃。よりファッショナブルに覚醒を遂げたポスト・グラムロック。イヴ・トゥモアは今日もドラァグ・クイーンのように世界を挑発する。

  259. 『Goodbye Hotel Arkada』Mary Lattimore
  260. フィラデルフィア出身出身の世界的ハーピスト、メアリー・ラティモアによるため息が出るほど美しいアルバム。何がイイって、『さらば、ホテル・アルカダ』ってタイトルがイイ。改修工事中のクロアチアのホテルのことらしいが、愛着がある場所が消えていく喪失感を、ハープの音色に乗せているのかも。

  261. 『PARADE』中塚武
  262. ソロ活動20周年記念アルバム。原色のパレットだけで創り上げたかのようなカラフルさ、ビッグバンドジャズとEDMが交錯する軽妙洒脱さ、とにかくポップ・ミュージックとしてひたすら楽しい。M-1「Ladies and PAC-MAN」はとにかく気分がアガります。

  263. 『Open The Window』RHYMESTER
  264. created by Rinker
    ビクターエンタテインメント
  265. 『Hackney Diamond』Rolling Stones
  266. ミック・ジャガー80歳、キース・リチャーズ80歳、ロン・ウッド76歳。いや、もう、何というか、恐れ入ります。

  267. 『My Back Was A Bridge For You To Cross』Anohni And The Johnsons
  268. 『A Symphonic Celebration – Music from the Studio Ghibli Films of Hayao Miyazaki』久石譲
  269. 『ありがとう』never young beach
  270. まさかサウンド的にも歌詞的にも、こんなにガッツリはっぴいえんどに寄せてくるとは思わなんだ。M-8「Hey Hey My My」の大瀧詠一感ヤバいな。

  271. 『The Age of Pleasure』Janelle Monáe
  272. ズッチャ、ズッチャというレゲエビートを刻むラヴァーズロック感。強い日差しと湿度を感じさせるラテンなポップネス。ヌーディーな開放感がたまらん。

  273. 『Teenage Mutant Ninja Turtles: Mutant Mayhem』Trent Reznor & Atticus Ross
  274. 『The Rebirth Of Marvin』October London
  275. 『Tempo De Vendaval』Nara Pinheiro
  276. フルート奏者にして環境管理の学位を取得しているという変わり種、ナラ・ピニェイロのデビュー盤。ブラジル音楽の新しい風。

  277. 『BLUE GIANT』上原ひろみ
  278. ジャズを一気にメジャー・シーンに引き上げる可能性を持ったこの作品で、上原ひろみに作曲・演奏を依頼したのは慧眼としか言いようがない。

  279. 『For The Aliens』パソコン音楽クラブ
  280. 『The Ballad of Darren』Blur
  281. Blurのニューアルバム、なんというか、とっても優しい。

  282. 『Why Does The Earth Give Us People To Love?』Kara Jackson
  283. 『So Far So Good』Meernaa
  284. 時にはスローコアのようにしっとりと、時には音がぶつかる和音を使って暴力的に。 カーリー・ボンドの色気のある歌声が心を掴む、ドリーム・ポップ。

  285. 『four』IO
  286. four/IO
    created by Rinker
  287. 『Indiana Jones and the Dial of Destiny』John Williams
  288. 『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』のサウンドトラックを聴いてると、これまでのシリーズとは異なる手触りを感じる。ジェットコースター的上下運動は緩和され、全体的に重厚感のあるスコアに。ライトモチーフをごった煮状態で入れまくるというよりは、1曲ごとの個性が際立った作品に仕上がっている。

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  289. 『Gloria』Sam Smith
  290. クィアの喜びも悲しみも詰め込んだ、熟成のモダン・ポップ。シャンデリアが七色の光を放つ、魅惑のディスコティーク。カルヴィン・ハリスやエド・シーラン、キム・ペトラスを迎えて、より赤裸々にパーソナルな性を語り始めた、堂々たる4thアルバム。

  291. 『Journey』SPECIAL OTHERS
  292. スペアザはいつだってスペアザ。

  293. 『映帶する煙』君島大空
  294. 音と音の余白をしっかりとりつつ、サビではSEが重奏するダイナミズムが素晴らしい。メランコリックな叙情性と、突風のように吹き荒れる暴力性が同居した、文句なしのデビュー盤。特にM-2「扉の夏」は名曲ですね。

  295. 『RUSH!』MÅNESKIN
  296. イタリア発のラウド・ロック・バンド、マネスキンのサード・アルバム。エッジーでど直球なロック・サウンド。

  297. 『Babylon』Justin Hurwitz
  298. サイレント時代のスターたちの転落人生を、分かりやすく下降コードで表現して見せたジャスティン・ハーウィッツの聡明さたるや。

  299. 『Late Developers』Belle and Sebastian
  300. みんな大好きベルセバ。実は僕自身はそんなにハマってないベルセバ。ニューアルバムも骨の髄までベルセバでした。

  301. 『Flowers』OKAMOTO’S
  302. ロックンロール!OKAMOTO’Sって、バリバリのロックバンドだったんだ、ということを思い出させてくれる一枚。

  303. 『一時帰国』新しい学校のリーダーズ
  304. NewJeansに対抗しうるジャパニーズ・グループって、新しい学校のリーダーズなんじゃないかと結構本気で思ってる。

  305. 『印象万象有象無象』パスピエ
  306. 『Mood Swings』Vedo
  307. アッシャー&エラ・メイの『Don’t Waste My Time』、クリス・ブラウンの『Freaky Friday』にソングライターとして参加するなど、その才能がR&B界隈のアーティストから高く評価されているヴェドの3rdアルバム。90sライクなオーセンティックなサウンドに、打ち込み感の強いマッシヴなスネアがビートを刻み、メロウなヴォーカルが重なっていく。なんというか、THE王道のR&Bという感じ。

  308. 『New Game+』Palette Knife
  309. メロコアっすね。

OTHER RANKINGS

ローリングストーン誌が選ぶ、2023年の年間ベスト・アルバム100選
1.
『SOS』SZA
2.
『The Record』Boygenius
3.
『Data』Tainy
4.
『Let’s Start Here』Lil Yachty
5.
『Guts』This Is Why
6.
『This Is Why』Paramore
7.
『The Land Is Inhospitable and So Are We』Mitski
8.
『Maps』Billy Woods and Kenny Segal
9.
『Jaguar II』Victoria Monét
10.
『Zach Bryan』Zach Bryan
11.
『Blondshell』Blondshell
12.
『The Rise and Fall of a Midwest Princess』Chappell Roan
13.
『Sundial』Noname
14.
『Mañana Será Bonito』Karol G
15.
『Javelin』Sufjan Stevens
16.
『Esquinas』Becky G
17.
『My Back Was a Bridge For You to Cross』Anohni and the Johnsons
18.
『That! Feels! Good!』Jessie Ware
19.
『Scaring the Hoes』Danny Brown and JPEGMAFIA
20.
『The Age of Pleasure』Janelle Monáe
21.
『Did You Know That There’s a Tunnel Under Ocean Blvd』Lana Del Rey
22.
『Gumbo』Young Nudy
23.
『Paranoïa, Angels, True Love』Christine and the Queens
24.
『Gag Order』Kesha
25.
『Weathervanes』Jason Isbell and the 400 Unit
26.
『Fountain Baby』Amaarae
27.
『Rat Saw God』Wednesday
28.
『Desire, I Want to Turn Into You』Caroline Polachek
29.
『Red Moon in Venus』Kali Uchis
30.
『Endless Summer Vacation』Miley Cyrus
31.
『Dogsbody』Model/Actriz
32.
『Nadie Sabe Lo Que Va a Pasar Mañana』Bad Bunny
33.
『Get Up』NewJeans
34.
『Something to Give Each Other』Troye Sivan
35.
『For All the Dogs』Drake
36.
『Everyone’s Crushed』Water From Your Eyes
37.
『Work of Art』Asake
38.
『Kaytraminé』Kaytranada and Aminé
39.
『Ganger』Veeze
40.
『Why Does the Earth Give Us People to Love?』Kara Jackson
41.
『Bless This Mess』U.S. Girls
42.
『Strength』Samory I
43.
『Lucky』Megan Moroney
44.
『Joy’All』Jenny Lewis
45.
『Tension』Kylie Minogue
46.
『Fuse』Everything But the Girl
47.
『I Killed Your Dog』L’Rain
48.
『A Gift and a Curse』Gunna
49.
『This Stupid World』Yo La Tengo
50.
『Sunburn』Dominic Fike
51.
『Life Under the Gun』Militarie Gun
52.
『Like..?』Ice Spice
53.
『Forward』Jordan Ward
54.
『Beloved! Paradise! Jazz!?』McKinley Dixon
55.
『Snow Angel』Reneé Rapp
56.
『Portals』Melanie Martinez
57.
『Genesis』Peso Pluma
58.
『Let There Be Music』Bonny Doon
59.
『Voir Dire』Earl Sweatshirt and Alchemist
60.
『Unreal Unearth』Hozier
61.
『Proof of Life』Joy Oladokun
62.
『Good Riddance』Gracie Abrams
63.
『The Evil Genius』Mr.Eazi
64.
『Heaven Knows』PinkPantheress
65.
『The Rolling Stones』The Rolling Stones
66.
『El Comienzo』Grupo Frontera
67.
『Barbie the Album』Various Artists
68.
『Quest for Fire』Skrillex
69.
『D-DAY』Suga
70.
『The Ballad of Darren』Blur
71.
『I Told Them …』Burna Boy
72.
『Paint My Bedroom Black』Holly Humberstone
73.
『Cousin』Wilco
74.
『10,000 Gecs』100 Gecs
75.
『Eye on the Bat』Palehound
76.
『Lahai』Sampha
77.
『Bebe』Bebe Rexha
78.
『Lo Que No Te Dije』Gale
79.
『Art Dealers』Low Cut Connie
80.
『Yo No Era Así, Pero de Ahora en Adelante, Sí』Diego Raposo
81.
『I’ve Got Me』Joanna Sternberg
82.
『Volcano』Jungle
83.
『Raven』Kelela
84.
『First Two Pages of Frankenstein』The National
85.
『Tequila Ever After』Adekunle Gold
86.
『Stories From a Rock N Roll Heart』Lucinda Williams
87.
『Praise a Lord Who Chews But Which Does Not Consume』Yves Tumor
88.
『Water Made Us』Jamila Woods
89.
『Lucky for You』Bully
90.
『DLux』DannyLux
91.
『The Great Escape』Larry June and the Alchemist
92.
『Alma』Nicki Nicole
93.
『72 Seasons』Metallica
94.
『Falling or Flying』Jorja Smith
95.
『Sremm 4 Life』Rae Sremmurd
96.
『Another Blue』Crosslegged
97.
『Purge』Godflesh
98.
『Rolling Up the Welcome Mat (For Good)』Kelsea Ballerini
99.
『Memento Mori』Depeche Mode
100.
『My Soft Machine』Arlo Parks
Pitchforkが選ぶ、2023年の年間ベスト・アルバム50選
1.
『SOS』SZA
2.
『Desire, I Want to Turn Into You』Caroline Polachek
3.
『Kenny Segal: Maps』billy woods
4.
『Rat Saw God』Wednesday
5.
『Erotic Probiotic 2』Nourished by Time
6.
『Javelin』Sufjan Stevens
7.
『Fountain Baby』Amaarae
8.
『Radical Romantics』Fever Ray
9.
『My Back Was a Bridge for You to Cross』ANOHNI and the Johnsons
10.
『softscars』yeule
11.
『Did you know that there’s a tunnel under Ocean Blvd』Lana Del Rey
12.
『I Killed Your Dog』L’Rain
13.
『Sundial』Noname
14.
『GUTS』Olivia Rodrigo
15.
『With a Hammer』Yaeji
16.
『the record』boygenius
17.
『Raven』Kelela
18.
『10,000 gecs』100 gecs
19.
『Why Does the Earth Give Us People to Love?』Kara Jackson
20.
『i’ve seen a way』Mandy, Indiana
21.
『The Greater Wings』Julie Byrne
22.
『That! Feels Good!』Jessie Ware
23.
『The Land Is Inhospitable and So Are We』Mitski
24.
『Madres』Sofia Kourtesis
25.
『Love in Exile』Arooj Aftab / Vijay Iyer / Shahzad Ismaily
26.
『Atlas』Laurel Halo
27.
『Everyone’s Crushed』Water From Your Eyes
28.
『Fly or Die Fly or Die Fly or Die ((world war))』jaimie branch
29.
『Détwat』HiTech
30.
『& the Charm』Avalon Emerson
31.
『Praise a Lord Who Chews but Which Does Not Consume; (Or Simply, Hot Between Worlds)』Yves Tumor
32.
『Like..? EP』Ice Spice
33.
『Dogsbody』Model/Actriz
34.
『I’ve Got Me』Joanna Sternberg
35.
『Ganger』Veeze
36.
『Changing Channels』Pangaea
37.
『Oh Me Oh My』Lonnie Holley
38.
『This Stupid World』Yo La Tengo
39.
『Girl in the Half Pearl』Liv.e
40.
『12』坂本龍一
41.
『Hood Hottest Princess』Sexyy Red
42.
『Heaven Is a Junkyard』Youth Lagoon
43.
『Red Moon in Venus』Kali Uchis
44.
『Time Ain’t Accidental』Jess Williamson
45.
『The Enduring Spirit』Tomb Mold
46.
『Sun Arcs』Blue Lake
47.
『After the Magic』파란노을 (Parannoul)
48.
『Signs』Purelink
49.
『Good Living Is Coming for You』Sweeping Promises
50.
『New Blue Sun』André 3000

AWARDS

第66回グラミー賞
レコード賞
『Flowers』 Miley Cyrus
『Anti-Hero』 Taylor Swift
『Kill Bill』 SZA
『Not Strong Enough』 Boygenius
『On My Mama』 Victoria Monét
『Vampire』 Olivia Rodrigo
『What Was I Made For?』 Billie Eilish
『Worship』 Jon Batiste

アルバム賞
『Midnights』 Taylor Swift
『The Age of Pleasure』 Janelle Monáe
『Did You Know That There’s a Tunnel Under Ocean Blvd』 Lana Del Rey
『Endless Summer Vacation』 Miley Cyrus
『Guts』 Olivia Rodrigo
『The Record』 Boygenius
『SOS』 SZA
『World Music Radio』 Jon Batiste

楽曲賞
『What Was I Made For?』 Billie Eilish
『A&W』 Lana Del Rey
『Anti-Hero』 Taylor Swift
『Butterfly』 Jon Batiste
『Dance the Night』 Dua Lipa
『Flowers』 Miley Cyrus
『Kill Bill』 SZA
『Vampire』 Olivia Rodrigo

新人賞
Victoria Monét
Gracie Abrams
Fred Again
Ice Spice
Jelly Roll
Coco Jones
Noah Kahan
The War and Treaty
CDショップ大賞
カネコアヤノ 『タオルケットは穏やかな』
King Gnu 『THE GREATEST UNKOWN』
ずっと真夜中でいいのに。 『沈香学』
スピッツ 『ひみつスタジオ』
cero 『e o』
Vaundy 『replica』
back number 『ユーモア』
Mr.Children 『miss you』
Mrs. GREEN APPLE 『ANTENNA』
YOASOBI 『THE BOOK 3』

新しい学校のリーダーズ 『マ人間』
炙りなタウン 『炙りなタウン1 -死にたくなってからが本番-』
アルステイク 『風』
XG 『NEW DNA』
結束バンド 『結束バンド』
サバシスター 『アテンション!!』
tonun 『Intro』
TOMOO 『TWO MOON』
ブランデー戦記 『人類滅亡ワンダーランド』
Penthouse 『Balcony』

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