2025/7/16

『顔を捨てた男』(2023)の考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました

『顔を捨てた男』変身の先に待つ地獄を描く、大胆不敵なスリラー ※注!ネタバレ含みます」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。

「確かに私の姿は奇妙だ。しかし、自分を責めることは神を責めることになる」

19世紀のロンドンで“エレファント・マン”と呼ばれた青年ジョゼフ・メリックは、自伝でこのような言葉を残している。特異な容姿のため、見世物小屋で奇異の眼差しに晒されてきた彼は、やがてトリーヴス医師との交流を通じて、人間としての尊厳を取り戻していく。繊細で優しく知性にあふれた彼の生涯は、デヴィッド・リンチ監督の映画『エレファント・マン』(80)によって、広く知られることになった。

一方、『顔を捨てた男』(23)の主人公エドワード(セバスチャン・スタン)は、ジョゼフ・メリックとは対照的な存在。彼もまた病気のために顔が大きく変形しているが、自身の引っ込み思案な性格や、社会への不適応をすべて見た目のせいだと決めつけ、やり場のない怒りを抱えて生きている。地下鉄に乗れば、周囲の視線に怯えてしまう。劇作家志望の隣人イングリッド(レナーテ・レインスヴェ)と親しくなっても、過度な緊張から募る想いを伝えられない。「自分を責めることは神を責めることになる」とは真逆の、運命を呪い、自分を呪い、そして神を呪う日々。

ぜひご一読ください!

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