「『WEAPONS/ウェポンズ』PTAからキューブリックまでを呑み込む、恐怖の再発明 ※注!ネタバレ含みます」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。
アメリカ映画において、サバービア(郊外)は長いあいだ<清潔で安全な理想郷>として描かれてきた。しかしホラー映画になると、その文脈は一転して恐怖の温床となる。『エルム街の悪夢』(84)では、白い住宅街の裏側に悪夢が滲み出し、『スクリーム』(96)では、どこにでもある風景のなかで殺人鬼が跋扈し、『ゲット・アウト』(17)では、善良さの仮面を被った家庭そのものが構造的暴力を抱えていた。均質で、静かで、秩序立った空間だからこそ、その外側に押し出された差別や矛盾が澱となって溜まっていく。
サバービア・ホラーは、アメリカ映画がお家芸として磨き続けてきた一大ジャンル。そしていま、その伝統を現代的なかたちで引き継いでいる作り手のひとりが、ザック・クレッガーである。1981年3月1日にバージニア州アーリントンで生まれ、スケッチ・コメディ・グループ「The Whitest Kids U’ Know」のメンバーとして頭角を現し、俳優/コメディアンとしてテレビシリーズにも多数出演してきたという、異色のキャリアの持ち主だ。
フィルムメーカーとしての才能を世界に知らしめたのが、『バーバリアン』(22)。Airbnbで一軒家を借りた女性が、予約の行き違いから見知らぬ男性と一緒に泊まることになり、やがて隠されていた謎の地下迷宮に足を踏み入れてしまう。そこで露わになるのは、都市開発の歪みや女性への構造的暴力といった、長年見過ごされてきた現実そのもの。地上ではきれいに舗装された住宅街が広がっていても、地下では人が見ないふりをしてきたものが育ち、やがて怪物として姿を現す。それがクレッガーが紡ぐホラーの核心にある。
ぜひご一読ください!
DATA
STAFF
- 監督/ザック・クレッガー
- 脚本/ザック・クレッガー
- 製作/ザック・クレッガー、ロイ・リー マリ・ユーン、J・D・リフシッツ、ラファエル・マーグレス
- 製作総指揮/ミシェル・モリッシー、ジョシュ・ブローリン
- 撮影/ラーキン・サイプル
- 音楽/ライアン・ホラデイ、ヘイズ・ホラデイ、ザック・クレッガー
- 編集/ジョー・マーフィ
- 美術/トム・ハモック
- 衣装/トリッシュ・サマービル
CAST
FILMOGRAPHY
- バーバリアン(2022年/アメリカ)
- WEAPONS/ウェポンズ(2025年/アメリカ)
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