『WEAPONS/ウェポンズ』(2025)の考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました

『WEAPONS/ウェポンズ』PTAからキューブリックまでを呑み込む、恐怖の再発明 ※注!ネタバレ含みます」という考察/解説レビューをCINEMOREに寄稿しました。

アメリカ映画において、サバービア(郊外)は長いあいだ<清潔で安全な理想郷>として描かれてきた。しかしホラー映画になると、その文脈は一転して恐怖の温床となる。『エルム街の悪夢』(84)では、白い住宅街の裏側に悪夢が滲み出し、『スクリーム』(96)では、どこにでもある風景のなかで殺人鬼が跋扈し、『ゲット・アウト』(17)では、善良さの仮面を被った家庭そのものが構造的暴力を抱えていた。均質で、静かで、秩序立った空間だからこそ、その外側に押し出された差別や矛盾が澱となって溜まっていく。

サバービア・ホラーは、アメリカ映画がお家芸として磨き続けてきた一大ジャンル。そしていま、その伝統を現代的なかたちで引き継いでいる作り手のひとりが、ザック・クレッガーである。1981年3月1日にバージニア州アーリントンで生まれ、スケッチ・コメディ・グループ「The Whitest Kids U’ Know」のメンバーとして頭角を現し、俳優/コメディアンとしてテレビシリーズにも多数出演してきたという、異色のキャリアの持ち主だ。

フィルムメーカーとしての才能を世界に知らしめたのが、『バーバリアン』(22)。Airbnbで一軒家を借りた女性が、予約の行き違いから見知らぬ男性と一緒に泊まることになり、やがて隠されていた謎の地下迷宮に足を踏み入れてしまう。そこで露わになるのは、都市開発の歪みや女性への構造的暴力といった、長年見過ごされてきた現実そのもの。地上ではきれいに舗装された住宅街が広がっていても、地下では人が見ないふりをしてきたものが育ち、やがて怪物として姿を現す。それがクレッガーが紡ぐホラーの核心にある。

ぜひご一読ください!

DATA
  • 原題/Weapons
  • 製作年/2025年
  • 製作国/アメリカ
  • 上映時間/128分
  • ジャンル/ホラー
STAFF
  • 監督/ザック・クレッガー
  • 脚本/ザック・クレッガー
  • 製作/ザック・クレッガー、ロイ・リー マリ・ユーン、J・D・リフシッツ、ラファエル・マーグレス
  • 製作総指揮/ミシェル・モリッシー、ジョシュ・ブローリン
  • 撮影/ラーキン・サイプル
  • 音楽/ライアン・ホラデイ、ヘイズ・ホラデイ、ザック・クレッガー
  • 編集/ジョー・マーフィ
  • 美術/トム・ハモック
  • 衣装/トリッシュ・サマービル
CAST
  • ジョシュ・ブローリン
  • ジュリア・ガーナー
  • オールデン・エアエンライク
  • オースティン・エイブラムス
  • ケイリー・クリストファー
  • ベネディクト・ウォン
  • エイミー・マディガン
FILMOGRAPHY