50位 『シベールの日曜日』(1962年/フランス/セルジュ・ブールギニョン)
アンリ・ドカエによる水墨画のように端正なモノクローム撮影、モーリス・ジャールによるナイーブで慎ましやかな音楽。なんぴとたりとも侵犯できない、ウィアードな幻想的なお伽噺。
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49位 『ストーカー』(1979年/ソ連/アンドレイ・タルコフスキー)
48位 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年/アメリカ/ジョージ・ミラー)
47位 『フレンチ・コネクション』(1971年/アメリカ/ウィリアム・フリードキン)
46位 『バーニング 劇場版』(2018年/韓国/イ・チャンドン)
マイルス・デイヴィスの気だるいトランペットに乗せて、半裸の女性が薄暗闇の中で舞う。近年最も衝撃を受けたシーンがコレ。イ・チャンドンの映画的想像力に戦慄させられる、コリアン・ノワール。
45位 『ロスト・イン・トランスレーション』(2003年/アメリカ/ソフィア・コッポラ)
自己告白的なアバンチュールと自分探し。これはもう、世界で最もクリエイティヴを発信するのに恵まれた環境にある女の子=ソフィア・コッポラによる、プライベート・フィルムだ。
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44位 『チャイナタウン』(1974年/アメリカ/ロマン・ポランスキー)
ロマン・ポランスキーの目的は、ハードボイルドなクライム・ストーリーを紡ぎ上げることではなく、己の虚無をフィルムに焼き付けること。清濁併せ飲んだ男の手による、清濁併せ飲んだフィルム。
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43位 『ヒート』(1995年/日本/マイケル・マン)
アル・パチーノとロバート・デ・ニーロの二大スタアが、アウラを放射しまくり。徹底的にスタア・ムービーをフィルムノワールという意匠を借りて創り上げたことに、僕は感動すら覚えます。
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41位 『ベニスに死す』(1971年/イタリア、フランス/ルキノ・ヴィスコンティ)
40位 『ブルーベルベット』(1986年/アメリカ/デヴィッド・リンチ)
青い空、赤いチューリップ、白いフェンス、そしてロイ・オービンソンの歌う『Blue Velvet』の甘ったるいメロディー。光から闇の世界へ、そして闇から光の世界へと誘う、デヴィッド・リンチ流“ビバリーヒルズ高校白書”。
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39位 『ミッドナイトクロス』(1981年/アメリカ/ブライアン・デ・パルマ)
38位 『薔薇の名前』(1986年/フランス、西ドイツ、イタリア/ジャン・ジャック・アノー)
魅惑に満ちたビジュアルは、さながら西欧版横溝正史といった趣き。死体が壺の中にまっ逆さまになっているシーンは『犬神家の一族』みたいだし、僧院内部のラビリンスはまるで『八つ墓村』。横溝センセイも泡吹く超絶ゴスっぷりがサイコーな、中世修道院を舞台にした知的ミステリー。
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37位 『JFK』(1991年/アメリカ/オリバー・ストーン)
同じ映画を観に映画館へ二度も足を運んだのは、この作品が最初。ラスト近く、ケビン・コスナーが「自らの手で信頼できるアメリカを回復しよう」と真摯に訴えるシーンは、何度見ても胸が締め付けられる。
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36位 『マラソンマン』(1976年/アメリカ/ジョン・シュレシンジャー)
何と言っても、“白い天使”ゼルを圧倒的な存在感で演じる名優サー・ローレンス・オリヴィエに尽きる。「Is It Safe?」というセリフだけで恐怖を感じさせることのできる役者は、そうはいない。
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35位 『スターシップ・トゥルーパーズ』(1997年/アメリカ/ポール・バーホーベン)
34位 『ビフォア・サンセット』(2004年/アメリカ/リチャード・リンクレイター)
80分の出来事をリアルタイムで描く、大人の恋の駆け引き。映画的な完成度では、前作『ビフォア・サンセット』よりも上なんではないか。
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33位 『三十九夜』(1935年/イギリス/アルフレッド・ヒッチコック)
息もつかせぬスピーディーな展開、美男美女のロマンス。以降ヒッチコックの基本スタイルとなる「巻き込まれ型サスペンス映画」 の礎となった、イギリス時代の隠れた逸品。
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32位 『エクソシスト』(1973年/アメリカ/ウィリアム・フリードキン)
悪魔払いについての映画であって、ホラー映画にはあらず。徹底した心理描写でドキュメンタルな緊張感を堅持する、ウィリアム・フリードキンの演出にため息。
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31位 『野いちご』(1957年/スウェーデン/イングマール・ベルイマン)
当時弱冠39歳、人生まだまだ勉強中のイングマール・ベルイマンが、“老人の孤独”という身分不相応なテーマに挑んだロードムービー。「過去」と「現実」を行き来させるという、トリッキーな構成がスゴい。
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29位 『オリエント急行殺人事件』(1974年/アメリカ/シドニー・ルメット)
画面を覆う暗いペシミズムと、オーソン・ウェルズの規格外な存在感。名作だ傑作だと絶賛され、あまたの映画ベストテンにランクインする、名作中の名作。
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28位 『トゥモロー・ワールド』(2006年/イギリス、アメリカ/アルフォンソ・キュアロン)
冒頭の3分間で傑作であることを確信。圧倒的なリアリティーが迫りくる、「すぐそこにある危機」。
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26位 『街の灯』(1931年/アメリカ/チャールズ・チャップリン)
25位 『地獄の黙示録』(1979年/アメリカ/フランシス・フォード・コッポラ)
この映画は、とにかく混乱している。っていうか、壊れている。「これで終わりだ」という曲で幕を開ける、スペキュレイティヴな黙示録。
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24位 『ガタカ』(1997年/アメリカ/アンドリュー・ニコル)
イーサン・ホークに、ジュード・ロウに、ユマ・サーマン。これでもかというくらい、美男美女を揃えた上に、音楽はマイケル・ナイマンときたもんだ。近年稀にみるくらいに、美しいSF映画。
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23位 『ファイト・クラブ』(1999年/アメリカ/デヴィッド・フィンチャー)
ミステリーなのか人間ドラマなのか、ジャンルすら規定できない。デヴィッド・フィンチャーが世紀末に仕掛けた、新感覚のパンク・ムービー。
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22位 『ブレードランナー』(1982年/アメリカ/リドリー・スコット)
近未来のロスアンゼルス。酸性雨が降り注ぎ、街はどぎついネオンに彩られている…。もはや説明無用。SF映画のパラダイムシフトとなった、伝説的カルトムービー。
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