「「人が人を裁くこと」を描き続けたクリント・イーストウッドが94歳で達した境地 映画『陪審員2番』をいま観るべき理由」という考察/解説レビューをIGN JAPANに寄稿しました。
人を裁くとはどういうことなのか。そもそも、人は人を裁くことができるのか。新約聖書のマタイによる福音書には、「人を裁くことなかれ。しからば汝らも裁かれざらん」というイエス・キリストの言葉が書かれている。それでも人類は社会秩序を維持するために、世界の安定をはかるために、人を裁き続けてきた。
judge(裁く)の語源は、ラテン語のjus(正しい)とdicare(述べる)を組み合わせたもの。justice(正義)と同じ由来を持っている。我々は長いあいだ正義について思索をめぐらし、叡智を育んできた。その歴史と集積によって、清廉高潔かつ不偏不党の精神が定義され、初めてjudgeが執行される。人を裁く行為には、それだけの責任が求められる。
それでもなお、その倫理に対する問いは絶えることがない。アンドレ・カイヤットの『裁きは終りぬ』(1950年)のように、裁くことの道義性を描いた映画は、これまでも数多く作られてきた。クリント・イーストウッドは、キャリア初期からこのテーマに自覚的に取り組んできた映画作家といえる。
ぜひご一読ください!
DATA
STAFF
- 監督/クリント・イーストウッド
- 脚本/ジョナサン・エイブラムズ
- 製作/クリント・イーストウッド、ティム・ムーア、ジェシカ・マイヤー、アダム・グッドマン、マット・スキーナ
- 製作総指揮/デヴィッド・M・バーンスタイン、エレン・ゴールドスミス=バイン、ジェレミー・ベル
- 撮影/イヴ・ベランジェ
- 音楽/マーク・マンシーナ
- 編集/ジョエル・コックス、デヴィッド・コックス
- 美術/ロン・リース
- 衣装/デボラ・ホッパー
CAST
FILMOGRAPHY
- 恐怖のメロディ(1971年/アメリカ)
- アイガー・サンクション(1975年/アメリカ)
- ガントレット(1977年/アメリカ)
- ファイヤーフォックス(1982年/アメリカ)
- ペイルライダー(1985年/アメリカ)
- ホワイトハンター ブラックハート(1990年/アメリカ)
- 許されざる者(1992年/アメリカ)
- パーフェクト・ワールド(1993年/アメリカ)
- マディソン郡の橋(1995年/アメリカ)
- トゥルー・クライム(1999年/アメリカ)
- スペース カウボーイ(2000年/アメリカ)
- ブラッド・ワーク(2002年/アメリカ)
- ミスティック・リバー(2003年/アメリカ)
- ミリオンダラー・ベイビー(2005年/アメリカ)
- グラン・トリノ(2008年/アメリカ)
- チェンジリング(2008年/アメリカ)
- インビクタス/負けざる者たち(2009年/アメリカ)
- ヒア アフター(2010年/アメリカ)
- J・エドガー(2011年/アメリカ)
- アメリカン・スナイパー(2014年/アメリカ)
- ハドソン川の奇跡(2016年/アメリカ)
- クライ・マッチョ(2021年/アメリカ)
- 陪審員2番(2024年/アメリカ)
![陪審員2番/クリント・イーストウッド[DVD]](https://popmaster.jp/wp-content/uploads/61EF2bW-aoL._AC_UL640_FMwebp_QL65_-e1767964296513.webp)